Kuon Revox B77
シミュレーター
オープンリールデッキ Revox B77 の走行系と信号の道を、ブラウザの中で動かして確かめる道具です。元にしたのは、整備マニュアルから清書した回路図 29 基板(日・英・独)と、修復した実機の写真です。登録は要りません。
走行系を動かす
リールの巻き径から、供給側と巻取側の回転数と残り時間を出します。式は残量計算機と同じで、A = π(r外² − rハブ²)、長さ = A ÷ 厚み、時間 = 長さ ÷ 速度です。図は模式図で、寸法は実機の比率ではありません。
B77 を通して聴く
自分の録音を落とすと、B77 の録音アンプ・テープ・再生アンプを通した音になります。元の音と切り替えて聴き比べ、気に入ったら 16bit の WAV で持ち帰れます。音は手元のブラウザの中だけで処理され、外には出ません。
等化の時定数は IEC 60094 の値です。ヒスとハムの量と形は、自社の B77 の録音(アンバランス出力 → DA3000・2026-10-17 に解析)で測った上限に合わせました。高域の落ち・ヘッドバンプ・ワウフラッター・飽和の量は、まだこの模型の設定値であって Revox の規格値や実測値ではありません。実機で測り次第、差し替えます。
保存は無料の登録で使えます。24bit や FLAC、ノイズ除去やマスターの仕上げは KUON DAR で行えます。
P-86S と X-86S は無指向のステレオマイクで、アコースティック楽器の録音のために作りました。録ったファイルをそのままこの画面に落とせば、B77 を通した音を確かめられます。
PLAY を押すと何が起きるか
止めて 1 つずつ進めます。順序は図の説明のためのもので、実機では数十ミリ秒の中でほぼ同時に起きます。どの基板が関わるかは、下の信号の道に光ります。
ブレーキが両方のリールを止めています。ピンチローラーはキャプスタンから離れ、音声はミュート(Y-MUTE)です。
信号の道
清書した回路図集の表紙に描いた、機体全体の基板構成です。見たい道を選ぶと、関わる基板と線が光ります。基板を押すと役割と、詳しい記事への入口が出ます。
線の色は回路図集と同じです。赤 +24V、橙 +21V、茶 モーター、緑 制御信号、青 音声、紫 バイアス。
基板の実物を見る
キャプスタン速度制御基板 1.177.325 の実物です。印を押すと部品番号と役割が出ます。位置は写真から直接読んだ 11 点で、配置図との照合は NE555・SN76131N・MJ411 など 8 種の特徴部品で確かめてあります。

タイマー IC。タコヘッドの周期を電圧に変える要です。
仕組みの要点
キャプスタンの速度は FG サーボで保つ
Revox B77 のキャプスタンモーター M3 は、タコヘッド TH1 が返す周波数を基板 1.177.325 で基準と比べ、ずれた分だけ電圧を直すことで速度を保ちます。校正は半固定抵抗 R14 で行い、基準の音を録ったテープと周波数計で合わせます。
リールモーターは引き合いで張力を作る
B77 には 3 つのモーターがあります。供給側 M1 と巻取側 M2 は互いに引き合ってテープを張り、張力スイッチ 1.177.135 がリール径に応じて電圧を切り替えます。速度を決めるのはモーターではなく、キャプスタンとピンチローラーです。
録音はバイアスと一緒にヘッドへ
発振器 1.177.240 が消去ヘッドの電流と録音ヘッドのバイアスを作ります。録音アンプ 1.177.230 は NAB か CCIR の等化をかけた音声にこのバイアスを混ぜて録音ヘッドへ送ります。再生は逆の等化を再生アンプ 1.177.250 がかけます。
止める判断は走行センサーが出す
走行センサー 1.177.320 がテープの動きを見張り、テープの終わりや切れで動きが止まれば駆動制御基板 1.177.315 が自動で停止します。同じ信号でミュートが解除されるので、止まった機体から音が出ることはありません。

出典と注意
- 回路図: 整備マニュアルから空音開発が清書した 29 基板(KiCad・日英独・接続の機械検証 1,618 項目)。保留は 1.177.317 と 1.128.040 の 3 枚。
- 写真: 修復した実機を自分で撮ったものです。Kuon を明記すれば自由に複製できます。
- Revox は Revox GmbH の商標です。この画面は空音開発による非公式の学習用の道具で、Revox GmbH とは関係がありません。寸法と順序は説明のためのもので、修理の判断は整備マニュアルと実機で確かめてください。
次の段では、実機の測定で音の模型の数値を合わせ、立体の模型を足します。