空音開発Kuon R&D
JOURNAL

部屋と音響 — 残響・反射・ルームアコースティック

自分の録音を聴き返して「なぜか違う」と感じるとき、原因は演奏でも機材でもなく、多くの場合は部屋です。狭い練習室では低音が溜まり、壁が近ければ初期反射が音像をにじませ、天井が高い教会では残響が言葉を溶かします。この棚には、残響時間 (RT60) が何を意味するのか、初期反射をどこで断つのか、定在波はどこに立つのか、吸音材と拡散材をどう使い分けるのか、そして手持ちのマイクやスマートフォンでどこまで測れるのかを、実測とともに置いています。部屋を知ることは、高価なマイクを買うより先に効きます。

6本の記事
2026.08.22

カーオーディオの音質を、測って確かめる。車という部屋と、その電源

車は、作業の最後に音を確かめる場所として長く使われてきました。容積が小さく反射が短い部屋であること、電気がはじめから最後まで直流であること。この二つの条件を

2026.08.18

音響測定の音源は球形か十二面体かで結果はどう変わるのか、その研究を読む

部屋の音響を測るとき、音源の形で結果は変わるのか。球形音源と十二面体音源を同じホールで測り比べた2013年の研究を読み、音源の選択が測定に与える影響を整理し

2026.08.06

32個の小型スピーカーで作る球形音源は部屋の音響測定に使えるのか、その研究を読む

32個の小型ドライバーを搭載した直径200 mm、3 kg未満の球形音源。122 dBの音響パワーと5 kHzまでの無指向性を達成し、SPS方式による室内音

2026.08.22

サブウーファーは必要か。車室が低音を持ち上げるという前提から

車室は 70 から 90 ヘルツより下を、1 オクターブあたり 12 デシベルほど持ち上げます。だから座席の下に入る薄い製品でも効きます。サブウーファーの本

2026.08.22

デッドニングは、三つの別の仕事です。止める、吸う、遮る

デッドニングという一語が、目的も素材も貼る場所も違う三つの仕事をまとめて指しています。止めるのは鉄板の振動、吸うのは内側の反射、遮るのは外から入る音。混ざっ

2026.08.10

ホールの響きを音響ホログラフィで自在に変えられるのか、その研究を読む(1989年)

講演とオーケストラでは、求められるホールの響きが違います。建築だけで両立できないこの課題に、音響ホログラフィの考え方で挑んだ1989年の研究を解説します。