空音開発Kuon R&D
音響工学 · 2025.11.18

Audio-Technica AT4050 レビュー|3指向性コンデンサーマイクの実力

本記事は、プロ録音エンジニア視点でスタジオ用マイクの音質をチェックしていく 「マイク音質チェック」シリーズの第1回目。 録音エンジニア視点で、買い、検討、他の選択肢ありの三つの結論でまとめていきます。 今回取り上げるのは

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目次

本記事は、プロ録ってみた印象でスタジオ用マイクの音質をチェックしていく
「マイク音質チェック」シリーズの第1回目。

録ってみた印象で、買い、検討、他の選択肢ありの三つの結論でまとめていきます。

今回取り上げるのは、Audio-Technica(オーディオテクニカ)の
マルチパターン・コンデンサーマイク 「AT4050」。

結論:どんな人に向くか

オーディオテクニカ AT4050 コンデンサーマイク / 1インチ大口径デュアルダイアフラム / DCバイアス/単一指向性 双指向性 無指向性 に切り替え可能 / 80Hzローカットフィルタースイッチ / 10dBパッドスイッチ / 専用ショックマウント付属/トランスレス 【国内正規品】 ブラック
オーディオテクニカ AT4050 コンデンサーマイク / 1インチ大口径デュアルダイアフラム / DCバイアス/単一指向性 双指向性 無指向性 に切り替え可能 / 80Hzローカットフィルタースイッチ / 10dBパッドスイッチ / 専用ショックマウント付属/トランスレス 【国内正規品】 ブラック
価格と在庫は各店でご確認ください

これからスタジオ用の1本目を選びたい方や、
すでにAT4050を持っていて「他のマイクとどう使い分けよう?」と悩んでいる方の
ヒントになれば幸いです。

製品スペック

まずは、Audio-Technica AT4050 の基本スペックを一覧で整理しておきます。

詳細なサウンドインプレッションに入る前に、ざっくりと「どういうマイクか」を掴んでおきましょう。

※数値はメーカー公式スペックをもとにしています(執筆時点)。

項目内容
メーカーAudio-Technica(オーディオテクニカ)
型番AT4050サウンドハウス
種類ラージダイアフラム・コンデンサーマイク(サイドアドレス)
指向性無指向(Omni)/単一指向(Cardioid)/双指向(Figure-8)
周波数特性20 Hz 〜 18 kHz
最大音圧レベル149 dB SPL(パッドON時 159 dB SPL, 1kHz, 0.5% THD)
パッド-10 dBサウンドハウス
ローカットフィルタ80 Hz, 12 dB/oct(ハイパスフィルタ)サウンドハウス
電源ファンタム電源 DC 48 V
出力コネクタXLR3ピン(オス)

AT4050は、3パターンの指向性を切り替えられるスタジオ向けラージダイアフラムマイクです。

1本でボーカルから楽器、アンビエンス収録まで広く対応できる「ワークホース」ポジションのモデルと言えます。

製品の歴史

1990年代に登場したAT40シリーズのマルチパターンモデル

  • 1990年代前半、オーディオテクニカはスタジオ向けコンデンサーマイクとして AT40シリーズ を展開。
    なかでも AT4033 は「手頃な価格のラージダイアフラム・コンデンサーマイク」として大きな評価を受けました。
  • その上位機種として登場したのが AT4050 で、 当時としては手の届きやすい価格帯で マルチパターン対応の本格スタジオマイク を実現したモデルです。

資料によって発表年に多少の揺れはありますが、
1994〜1995年ごろに登場したAT40シリーズのフラッグシップ的存在と考えてよいでしょう。

発売から25年以上経った現在でもラインナップに残り続けている、稀有なモデルのひとつです。

「ビンテージ真空管マイクのような濃いキャラクター」ではなく、
クリーンで現代的なスタジオサウンドを志向したマイクとして、世界中のエンジニアに愛用されています。

マルチパターン・ラージダイアフラムという性格から、スタジオの “最初の本格マイク” や “何でも録れる1本” として導入されるケースも多いです。

録ってみた印象

実はこのマイクは空音開発の技術顧問から紹介されたものでした。

ノイマンのKM184の代替案としてありという声で興味を持っていろいろ試聴してみましたが、確かに素晴らしいものがあります。

オーディオテクニカは日本の老舗ブランドですのでその名前に恥じない素晴らしいフラッグシップマイクです。

ここからYoutubeでアップされているAT4050の音を一緒にチェックしていきましょう。

YouTubeでの試聴

空音開発マイクとの比較

このAT4050はかなり音がいい。

空音開発の技術顧問も、KM184と比較できるほどであると評価しており、ステレオで用意して20万円を切るのであれば素晴らしい投資になります。

一方でこういった大口径タイプの指向性切り替えモデルというのは、なんとなく持て余してしまう感を感じることも多いのではないでしょうか。

個人的にはこの指向性切り替えタイプは好きじゃなくて、カプセル交換式なら好き、いやこれはもう完全に好みの話であります。

実際例えばルイットの640などは、無指向性の音も確かにルイットであり、素晴らしいマイクですが、大口径は指向性しか使わないというかたにとっては、540モデルでよかったりします。

空音開発のマイクは無指向性ラベリアマイクですので、もし無指向性としてこのAT4050を使うのであればぜひ一度空音開発のラベリアマイク:X-86Sも試聴してみてほしいと思うわけです。

どちらが世界最高峰のマイクと言われるSCHOEPS MK2かわかりますか?

ブラインド試聴体験

サンプル A

お使いのブラウザはaudioタグをサポートしていません。

サンプル B

お使いのブラウザはaudioタグをサポートしていません。

もっとサンプル音源を聴く

無指向性ステレオペア、選べる2モデル

同じ音作りの思想から生まれた P-86S(プラグインパワー)と X-86S(mini XLR)
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まとめ

最後に、Audio-Technica AT4050 のポイントをシンプルにまとめておきます。

  • 3パターン指向性で「1本3役」のラージダイアフラムコンデンサーマイク → ボーカル、楽器、アンビエンスまで幅広くカバーできる柔軟性。
  • クリーンでモダンなサウンド傾向 → 色付けが強すぎず、EQやコンプでの作り込みがしやすい印象。
  • 高音圧にも耐えられる設計 → ドラムやギターアンプなどのラウドなソースでも安心して使える。

「ビンテージ系の濃いキャラクターが欲しい」というよりは、
“安定して使える現代的なスタジオ定番マイク” を探している方に向いた1本だと思います。

マイク選びに絶対的な正解はありませんが、
本記事が AT4050 を検討している方の判断材料になれば嬉しいです。

今後も「マイク音質チェック」シリーズでは、
空音開発で実際に使用しているマイクを中心に、
スペック・歴史・特徴・試聴・比較 を同じフォーマットでレビューしていきます。

気になるマイクがあれば、ぜひコメントなどで教えてください。

よくある質問
AT4050 の 3 つの指向性は、どう使い分けますか

単一指向は、狙った音だけを拾いたいときです。無指向は、部屋の響きも含めて録りたいときと、近づいたときに低音が膨らむのを避けたいとき。双指向は、2 人で向かい合って録るときと、後ろから来る音を意図的に入れるときです。迷ったら単一指向から始めてください。

ボーカルに向いていますか

向いています。中域から上が素直に出るため、声の質感が残ります。ただし近づくと低音が膨らむので、口から 20cm から 30cm を保ち、ポップガードを挟んでください。距離を詰めるほど、部屋の響きは減り、低音は増えます。

発売から年数が経っていますが、今も使えますか

使えます。コンデンサーマイクは、振動板と回路が傷んでいなければ性能が保たれます。中古で買う場合は、左右の感度に差がないか、ノイズが増えていないかを確かめてください。湿気の多い場所に置かれていた個体は、振動板が傷んでいることがあります。

ファンタム電源は必要ですか

必要です。48V のファンタム電源を供給できるオーディオインターフェイスかミキサーが要ります。供給がないと音が出ないか、極端に小さくなります。供給側の選び方は[おすすめミキサー](/journal/recommended-mixer)にまとめました。

空音開発のマイクとは何が違いますか

拾い方の考え方が違います。AT4050 は 1 本で 1 つの音源を狙う設計で、指向性を切り替えて場面に合わせます。空音開発の P-86S と X-86S は、無指向性のカプセルを離して置き、空間ごと記録する設計です。一人の声を狙うなら前者、合奏や部屋の響きごと残すなら後者になります。

中古で買うときに見る点はありますか

3 つです。付属のショックマウントがそろっているか、指向性の切り替えが 3 つとも音として変わるか、左右の感度に差がないか。ショックマウントを単体で買うと高くつくため、そろった個体を選ぶほうが結果的に安く済みます。

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