目次
Audacity で音声を編集する道すじは四つです。
音量をそろえる。
要らない所を切る。
書き出す前に確かめる。
MP3 か WAV で書き出す。
この記事では、その順に、画面のどこを押すかまで書きました。
この記事は、Audacity での編集操作のやり方をまとめたものです。
まだ Audacity を入れていない方はAudacity入門完全ガイド。
できることとインストール方法からどうぞ。
Audacityを始めたばかりの方は、録音した音声をどう扱えば良いのか迷うことが多いでしょう。
特に無指向性ステレオAB方式で収録したデータは奥行き感や広がりが豊かな一方で、バランス調整や音量の統一に戸惑いがちです。
本記事では、音声ファイルの読み込みからノーマライズまでの基本操作を、初心者でも実践できるようにわかりやすく解説します。
この記事はすべてステレオAB方式録音を前提にしており、モノラルを想定していません。
Audacityのインターフェースに慣れていない方でも、手順を追うことで確実に音質を向上させるコツが理解できます。
編集作業のストレスを減らし、本来のクリエイティブな作業に集中できるようサポートします。
とはいえ、簡単な音声編集でしたら筆者が運営する空音開発へぜひお越しください。

Audacityでの音声編集やり方手順
Audacityを起動したら、まず音声ファイルを読み込みます。
メニューバーから「ファイル>開く」または「ファイル>取り込み>音声の取り込み」で録音したデータを選択します。
無指向性ステレオAB方式で録音した左右2チャンネルは、自動的にステレオトラックとして表示されます。
次に、不要な部分のトリミングやフェードイン/アウトを行いましょう。
Macでは⌘+A、WindowsではCtrl+Aでトラック全体を選択できます。
ノーマライズの手順は簡単です。
ノーマライズしたい範囲または全体を選択し、メニューバーの「エフェクト>音量と圧縮>ノーマライズ」をクリックします。
表示されるダイアログで「DCオフセットの削除」「最大振幅をノーマライズ」「ステレオチャンネルごとにノーマライズ」を設定し、デフォルトの振幅値(空音開発では-0.1 dB)を確認したら「OK」を押します。
これで左右チャンネルのバランスを保ちながら音量が適正化されます。
なお、音量をさらに上げたい場合は同じ「エフェクト」メニューの「増幅」を使い、クリッピングを防ぐために「クリッピングを許可しない」にチェックを入れてください。
音量を上げる方法。
ラウドネス調整のやり方
ラウドネスとは「人が感じる音の大きさ」を統一するための調整です。
単純に波形の振幅をそろえるノーマライズとは異なり、周波数特性や時間変化を考慮して聴感上の音量を整えるのがラウドネスです。
ラウドネス調整の手順
- 編集したいトラックを選択
- メニューから [エフェクト][ラウドネスの正規化(Loudness Normalization)] を選択
- 「目標ラウドネス(LUFS)」に数値を入力 一般的には −16 LUFS(YouTubeなど配信用) や −23 LUFS(放送基準) を目安にします
- 「RMSノーマライズ」を選ぶことで従来の平均音量ベースの処理も可能
- OKをクリックして適用
ラウドネスとノーマライズの違いと使い分け
使い分けの目安
- 録音素材の編集中(整音段階) ノーマライズ
- 最終出力前(配信用・マスタリング段階) ラウドネス正規化
波形を分割してカットする。
不要部分の削除
カットの手順
- トラック内で削除したい範囲をドラッグ選択
- Deleteキー または 編集 切り取り(⌘X) を実行
- カット後、トラック オーディオの結合 で不要な隙間を詰める
- ズームツール()を使って波形を拡大し、クリックノイズやブツ切りを確認
- 必要に応じて「フェードイン/フェードアウト」で自然に繋げる
編集後のチェックポイント
- ノーマライズ −1.0 dB 以内を目安
- ラウドネス正規化 目的に応じたLUFS値
- クリックノイズ 「効果音除去」や「スムーズ化」で除去
- 全体の音質確認 ヘッドホンとスピーカーで両方チェック
よくあるトラブルと注意点
左右バランスの崩れ・ピーク超過対策
ステレオAB録音では、左右マイクの距離や高さが揃っていないとバランスが崩れ、片側が強調されることがあります。
通常はそのようなことが起こらないように録音するのがベストですし、あえて片側に寄っているのも録音意図の可能性がありますので、波形だけでバランスを調整しないということが大切。
録音時にはマイク間の距離と角度を揃え、録音後はAudacityで左右レベルメーターを確認しながら必要に応じて増幅やパンを微調整しましょう。
また、ノーマライズや増幅処理でピークが0 dBを超えると歪みが発生します。
Audacityの増幅ダイアログでは「クリッピングを許可しない」にチェックを入れることで安全なレベルに抑えられます。
MS変換やモノ化との違い・比較
MS変換はMid-Side方式で録音されたデータをステレオに展開する技術で、中心成分と側成分を独立して調整できます。
一方、ステレオAB方式は2本の無指向性マイクの自然なタイム差と音量差を利用するため、MS変換や後処理によるモノラル化よりも自然な空間表現が得られます。
モノラル化は左右チャンネルを合成して定位を中央に集める処理で、不要な位相干渉を避けられますが、臨場感や広がりは失われます。
用途に応じて選択しましょう。
書き出す(MP3 と WAV)
編集が終わったら、音声ファイルとして書き出します。
保存ではなく書き出しです。
Audacity の保存は作業中の状態を残すためのもので、そのままでは他の機器で再生できません。
ファイルのメニューから書き出しを選びます。
版によって項目の名前が違い、古い版では MP3 として書き出し、新しい版ではオーディオを書き出すの中で形式を選びます。
形式の選び方は次のとおりです。
- MP3 配信、共有、投稿に使います。
ビットレートは 192kbps 以上にすると、音の劣化が気になりにくくなります - WAV 編集を続ける、あるいは原本として残すときに使います。
圧縮しないので劣化しません - FLAC 劣化させずに容量を抑えたいときに使います
書き出しを押すと、曲名や作者を入れる画面が出ます。
空欄のままでも書き出せます。
MP3 の書き出しに追加の導入が必要だったのは古い版の話で、今の Audacity は本体だけで書き出せます。
まとめ
Audacityの音声編集で重要なのは、
1⃣ 波形編集による不要部分の整理
2⃣ ノーマライズによる音量の基礎統一
3⃣ ラウドネス正規化による聴感上の最終調整
この3ステップを意識することで、配信・ナレーション・音楽制作すべてで安定した音質を実現できます。
編集の前に、録る音を整える
編集で直せる範囲には限りがあり、録音そのものの音質は入口のマイクで決まります。
パソコンで録音するなら、最初にUSBマイクを整えると、あとの編集が楽になります。
録音とは、音を“集める”のではなく、空気を“描く”こと。
もう、終わりの見えないマイク探しに時間もお金も奪われない。
録音の本質は、テクニックや機材の数ではなく、
音そのものの“あり方”にあります。
空音開発の無指向性ステレオマイクは、
空気の中に広がる音の粒を、そのままの姿で留めるために生まれました。
一度その音を知れば、もう機材探しの旅は終わります。
無指向性ステレオペアの録音哲学を、あなたの創造性に。
操作ごとの詳しい手順
それぞれの作業は、別の記事に手順をまとめています。
