空音開発Kuon R&D
録音機材 · 2026.08.20

Harrison Audio Flex-10が発表。10イン/12アウトのUSB/ADATオーディオインターフェイスは何ができるのか

Harrison AudioがUSB/ADATオーディオインターフェイス「Flex-10」を発表。10イン/12アウト、32-bit/192kHz、アナログ飽和回路H-DRIVEとフィルタを備え、ADATで拡張できます。

目次

Harrison AudioがUSB/ADATオーディオインターフェイス「Flex-10」を発表しました。

10イン/12アウトの入出力を持ち、マイク入力にアナログの飽和回路とフィルタを備えます。

ADATで8チャンネル拡張でき、既存機材と組み合わせて録音環境を広げられます。

Flex-10の仕様はどうなっているのか

Flex-10は、USB-Cでコンピューターに接続するオーディオインターフェイスです。

マイクや楽器の信号をコンピューターへ渡す入り口になります。

コンバーターは32-bit/192kHzに対応します。

主な仕様を表に整理します。

Flex-10の主な仕様
項目
入出力10 in / 12 out
USB端子USB-C
コンバーター32-bit / 192 kHz
マイクプリアンプ2系統
Hi-Zインストゥルメント入力2系統
ライン入力2系統
H-DRIVE回路2系統
ハイパス/ローパスフィルタ2チャンネルに搭載
バランスド・インサートポイント1/チャンネル
メインステレオ出力2系統
ヘッドフォン出力2系統
ADAT I/O8チャンネル
MIDI I/O端子3.5mm TRS

表のほか、フロントパネルにはHi-Z入力2系統があり、ギターやベースを直接つなげます。

各チャンネルにはファントム電源、パッド、位相反転ボタンを備えます。

ファントム電源の仕組みと注意点は別の記事で整理しています。

録音・再生時の信号を確認できるVUメーターも載ります。

同梱ソフトとしてHarrison Mixbus 12 DAWとHarrison Creator Packが付属します。

Flex-10は何をするものなのか

Flex-10の役割は、マイクや楽器のアナログ信号を、コンピューターが扱えるデジタル信号に変換することです。

その変換の前段に、音を整える機能が並びます。

H-DRIVEは、2つの入力チャンネルそれぞれに搭載されたトランスフォーマー飽和回路です。

入力段でアナログ風のサチュレーション(飽和による音色の変化)を加えます。

録音の最初の段で音に厚みを持たせるための回路です。

2チャンネルには、32 Seriesコンソール由来のハイパス/ローパスフィルタを備えます。

ハイパスフィルタは低域を、ローパスフィルタは高域を取り除く回路です。

録音前に不要な帯域を減らせます。

Hi-Z(ハイインピーダンス)入力は、ギターやベースなど楽器レベル信号用の入力です。

フロントパネルに2系統あり、シンセやドラムマシンも接続できます。

ADAT I/Oは8チャンネルのデジタル入出力です。

対応するADAT機器と接続して、入出力を拡張できます。

バランスド・インサートポイントは各チャンネルに1つずつあり、コンプレッサーやEQなどのアウトボード機材を録音の経路に挟めます。

モニター出力は2系統、ヘッドフォン出力も2系統です。

それぞれ独立したレベルコントロールを持ちます。

MIDI入出力は3.5mm TRSコネクタで行います。

どういう作業のどの工程で使うのか

Flex-10が関わるのは、録音の入り口、つまり音を取り込む工程です。

マイクや楽器の信号を受け、コンピューター上の録音ソフト(DAW)へ渡します。

この取り込みの役割を、これまでオーディオインターフェイスが担ってきました。

Flex-10はその位置に置かれる製品です。

録音前に音を整える工程にも関わります。

入力段のH-DRIVEでサチュレーションを加え、ハイパス/ローパスフィルタで帯域を整え、インサートポイントにアウトボード機材を挟んで処理できます。

8チャンネルのADAT入出力は、ADAT対応機材を追加して入力を増やす拡張に使えます。

HarrisonのD510r 500 SeriesラックやD510UA ADATインターフェイスと組み合わせると、10イン/12アウトのハイブリッド制作ソリューションを構築できます。

ハイブリッド制作とは、アナログの処理とデジタルの録音を併用する制作のかたちです。

32Classicコンソールと同様に、アナログの伝統と現代のデジタル互換性を組み合わせる設計です。

対応環境と条件は何か

Flex-10を使うにはUSB-C接続が必要です。

Mac OSではクラスコンプライアント(専用ドライバなしで動作する対応方式)に対応します。

Windowsでは付属のASIOドライバーを使用します。

ADAT拡張にはADAT対応機器が必要です。

MIDI接続は3.5mm TRSコネクタを使います。

出典

Harrison Audio Flex-10 製品ページ

この記事が属するシリーズ

関連記事

ジャーナルへ戻る