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録音機材 · 2026.08.17

モニターヘッドホンとは何か。現場の定番5機種と選び方

モニターヘッドホンは音を楽しむ道具ではなく、間違いを見つける道具です。リスニング用との違い、用途別の形式の選び方、CD900ST・ATH-M50x・MDR-7506など現場の定番5機種を3店比較つきで解説します。

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目次

モニターヘッドホンは、私たちが録音の現場で毎日使っている道具です。

リスニング用のヘッドホンとは目的が根本から違うため、選び方もまったく変わります。

こんにちは、音楽家の朝比奈幸太郎です。

この記事では、モニターヘッドホンとは何かという定義から、用途別の選び方、現場で定番であり続けている5機種までを解説します。

各機種にはAmazon・楽天・専門店の販売ページを並べてあるので、その場で価格を見比べられます。

読者
モニターヘッドホンは音が良いと聞いて、音楽鑑賞用に検討しています。合っていますか

半分合っていて、半分違います。モニターは「気持ちよく聴かせる」のではなく「間違いを見つけさせる」道具です。味付けのない音を面白いと感じる人には最高の相棒になり、迫力や艶を求める人には物足りなく感じられます。目的の違いを知ってから選んでください。

筆者

モニターヘッドホンとは何か

音楽制作の現場では、演奏や録音の粗をその場で見つける必要があります。
ノイズが乗っていないか、楽器同士のバランスは崩れていないか、編集のつなぎ目は聞こえないか。
モニターヘッドホンは、この「間違い探し」のために音を脚色せず出す道具です

リスニング用が低音の迫力や高音の艶で音楽を楽しませようとするのに対し、モニターは録音された音をそのまま提示します。
だからこそ、楽器練習の録音確認、配信の音質チェック、DTMのミックスといった「音を作る側」の作業では、モニターが唯一の正解になります。

用途で形式が決まります

用途別の選び方
用途適した形式理由
録音中のモニター (歌・楽器)密閉型音漏れがマイクに回り込まない
ミックス・音の確認密閉型・セミオープン細部の粗を見つけやすい
家での長時間ミックス開放型こもらず疲れにくい (音漏れするため録音には不向き)

現場の定番3機種

この領域は流行で選ぶ場所ではありません。
何十年も現場で使われ続け、業界の共通言語になっている機種から選ぶのが合理的です。

定番3機種の比較
項目MDR-CD900STATH-M50xMDR-7506
立ち位置日本のスタジオ標準世界的な制作定番海外・映像現場の標準
向いている人日本の録音現場と同じ基準で聴きたい人制作全般の最初の1台海外の制作文化に合わせたい人

制作の最初の1台なら中央のATH-M50x、日本のスタジオワークと共通言語が必要ならCD900STです。

SONY MDR-CD900ST
ソニー
SONY MDR-CD900ST
4.5編集部の推し度
製品のポイント

国内の音楽制作現場で長年標準機として使われてきた密閉型モニターヘッドホンです。録音した音をそのまま確認するための忠実な再生が持ち味で、レコーディングスタジオの備品として広く常備されています。部品単位で修理しながら長く使える構造も業務機ならではで、一生ものとして選ぶ人も多い一本です。価格も含めて、録音確認の基準であり続けている一本です。

日本のレコーディングスタジオで標準機として使われ続けている密閉型モニターです。この機種で確認した音はそのまま現場の共通言語になります。有線専用の業務設計です。

価格と在庫は各販売店でご確認ください
audio-technica ATH-M50x
オーディオテクニカ
audio-technica ATH-M50x
4.5編集部の推し度
製品のポイント

世界の制作現場で使われてきたM50の後継となるモニターヘッドホンの定番です。大口径45ミリドライバーによる情報量の多い高解像度再生と、遮音性の高い楕円形イヤーカップが特徴です。片耳モニターできる反転機構や着脱式ケーブルなど、現場の使い勝手も考え抜かれています。折りたたみ可能で持ち運びやすく、制作からDJ・リスニングまで場所を選びません。

世界中の制作現場で定番になっている密閉型モニターです。楽器練習の確認から配信、ミックスまで幅広く使え、モニター入門の最初の1台として最も選びやすい構成です。

価格と在庫は各販売店でご確認ください
SONY MDR-7506
ソニー
SONY MDR-7506
4.5編集部の推し度
製品のポイント

海外の放送・制作現場で定番となってきた密閉型モニターヘッドホンです。味付けのないストレートな音で演奏をそのまま確認でき、細かい音まで聞き取れる解像感が持ち味です。軽量で側圧も穏やかなため長時間の作業でも聴き疲れしにくく、耳コピや録音チェックの道具として支持されています。折りたたみ機構を備えたシンプルな構造で、道具としての信頼性も高い一本です。

海外のスタジオや映像制作の現場で標準になっている密閉型モニターです。CD900STと設計の系譜が近く、海外の制作文化と共通言語を持ちたい人に向きます。

価格と在庫は各販売店でご確認ください

目的で選ぶ、あと2機種

目的別の2機種
項目AKG K240 STUDIODT 990 PRO
形式セミオープン開放型
向いている人予算を抑えて始めたい人家でのミックスに集中したい人

どちらも録音中のモニターには不向き (音漏れ) ですが、ミックスと確認の道具としては定番です。

AKG K240 STUDIO
AKG
AKG K240 STUDIO
4.5編集部の推し度
製品のポイント

半開放型の構造を持つスタジオ定番のモニターヘッドホンです。開放的な音場と自然な中域の再現が持ち味で、ミックス確認から楽器練習のモニターまで幅広く使われてきました。長年設計が大きく変わらない定番機のため交換部品が手に入りやすく、修理しながら使い続けられるのも利点です。軽い装着感で長時間の作業にも向き、価格も手頃なため学生の最初の一本にも選ばれます。

セミオープン構造の定番モニターです。価格を抑えながらスタジオ由来の設計に触れられるため、モニター入門の受け皿になります。

価格と在庫は各販売店でご確認ください
beyerdynamic DT 990 PRO
beyerdynamic
beyerdynamic DT 990 PRO
4.5編集部の推し度
製品のポイント

ミキシングやマスタリングの現場で支持されてきた開放型モニターヘッドホンのベストセラーです。音の一つひとつを正確に描く解像度と、低域から高域までバランス良く出す原音再生力が持ち味です。広がりのある音場で音の遠近感を立体的に確認でき、制作の最終確認に向く一本です。側圧が穏やかで長時間でも疲れにくく、自宅のリスニング用としても人気があります。

ドイツの老舗beyerdynamicの開放型モニターです。インピーダンスが高め (250Ω) のため、オーディオインターフェースやアンプと組み合わせて本領を発揮します。

価格と在庫は各販売店でご確認ください

迷ったら、この1台から

価格は日々変動します。
各機種のカードのボタンから、Amazon・楽天・専門店の今日の価格を見比べてください。
同じ機種でも店によって価格やポイントの条件が違うことは珍しくありません。

ワイヤレスのモニターヘッドホンはありませんか

録音のモニターには向きません。無線は原理的に遅延があり、演奏と返しの音がずれるためです。移動中の音の確認のような限定的な用途を除けば、モニターは有線一択と考えてください。

モニターヘッドホンで音楽鑑賞をしてはいけませんか

構いません。味付けのない音を好む人にはむしろ良い選択です。ただ迫力や艶を求めるなら、リスニング向けの記事から選ぶほうが満足度は高くなります。

イヤホン型のモニター (イヤモニ) とはどう違いますか

舞台上の演奏者が使う耳栓型のモニターで、遮音と装着の安定に特化しています。ヘッドホン型は制作卓での作業向け、イヤモニは演奏中の装着向けという住み分けです。別記事で詳しく扱います。

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モニターヘッドホンは、音を楽しむ道具ではなく、音と正直に向き合う道具です。
制作を始めるなら、最初に信頼できる1台を耳の基準にしてください。

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