目次
2024年に発売された ZOOM H1 XLR。
ZOOMのレコーダーはほぼすべて使ってきました。
その立場から、このレコーダーがなぜ強いのかを、忖度なしで書きます。
まずは音を聴いてください
言葉より先に、実際の音です。
最初は大口径の指向性マイクでのモノラル収録。
ポッドキャストやナレーションで使われる、いちばん一般的な形です。
次に、自作マイク P-86S を挿した無指向性AB方式です。
空気の広がりの違いを聴いてください。
F3 との区別
同じ32ビットフロートの F3 と、どう違うのか。
まず音質の前に、ハードの面から見ていきます。
大きく改善されているのが、microSD と単三電池の出し入れです。
F3 の電池室は「びっしり詰まっている」という表現がぴったりの窮屈な仕様で、電池を抜くためのリボンテープが入っていたほどでした。
あのサイズにあの性能を詰め込んだ結果なので、不満はありませんでしたが。
H1 XLR はここが大幅に良くなっています。
電池交換が素直にでき、microSD も挿入の手応えがはっきりあります。
とはいえ、128GB を入れていれば、交換は一日に一度あるかどうかですが。
痒いところに手が届いた3つのポイント
使っていて「よく分かっている」と感じた点を挙げます。
1. 電源のオンとオフ
電源オンは、スライドさせるだけ。
すぐ起動します。
F3 は長押しで起動でしたから、この速さは現場でこそ効きます。
では電源オフも同じ操作かというと、オフのほうはスライドの長押しです。
オンと同じ感覚でオフになられたら困りますから、これが正解です。
ホールドボタンも別にあります。
こういう細部に、現場を理解している設計が出ます。
2. 物理ボタンがしっかりある
マイクとラインの切り替えもボタンでできます。
ミックスやマーカーの位置も含めて、必要なものが必要な場所にあります。
3. すべてのファンタムを一括でオフ
これが最高です。
マイクを交換するとき、ファンタム電源は切りますよね。
F3 では左右それぞれを画面上でオフにしてから交換していました。
H1 XLR には一括オフがあります。
安心して交換できますし、速さがまるで違います。
あったらよかった機能
ひとつだけ欲を言えば、M4 に載っていた本体内ノーマライズです。
ただ、96kHz のファイルを大量に処理するなら、本体でやるよりパソコンで一括処理したほうが速い。
無い理由も分かります。
代わりというわけではありませんが、このサイズで簡易スピーカーが付いています。
フラッグシップの F シリーズにも無いものです。
音声メモの確認には素直に便利です。
シンプル、それが最高
Bluetooth もタイムコード同期も載っていません。
サンプリングレートも 96kHz まで。
192kHz が要るなら F3 です。
しかし、日常の録音で 96kHz を超える必要は、ほとんどありません。
32ビットフロートですから、レベルをあれこれ考えずに、マイクを挿してそのまま回す。
それで録れています。
音質のレビュー
ここも忖度なしで書きます。
まずヘッドホンアンプ。
私は F4 の使用歴がいちばん長く、F4 のヘッドホンアンプに苦い記憶があるので、ZOOM 製品を買うと最初にここを確かめます。
H1 XLR のヘッドホンアンプは、90点です。
音楽鑑賞にも耐えます。
マイクアンプ、ヘッドホンアンプ、ADC。
この価格帯として、文句の付け所がありません。
参考までに、無指向性マイクのモノラルも置いておきます。
これからの ZOOM に期待していること
いまのラインナップでも住み分けは完成されています。
それでも新製品のたびに最高を更新してくるのが ZOOM です。
私が楽しみにしているのは MEMS マイクの進化です。
MEMS は Micro Electro Mechanical Systems の略で、いまの小型マイクよりさらに小さいマイクを作れる技術です。
つまり、H1 XLR の大きさのまま、内蔵マイクまで載せられる可能性があるということです。
デジタル入出力が載れば、もう言うことはありません。
どこで買うか
H1 XLR に挿すマイク
XLR 入力が2つありますから、マイクしだいで録れる世界が変わります。
私は市販のマイクをひと通り試したうえで、自分が使いたいマイクを自分で作りました。
H1 XLR にはファンタム電源で使う X-86S がそのまま挿せます。
レコーダー本体の比較は、用途別に別の記事へまとめています。
