録った声が、出せる音になるまで。
オーディション用の音、ボイスサンプル、公演の記録、ボイスドラマ、朗読、ASMR。KUON ACTOR の使い方です。まずはクイックスタート、そのあとに手順ごとの説明が続きます。
3 ステップで、仕上げが終わる
- 音を入れます。録ってあるファイルを選ぶか、その場でマイクから録ります。
- 右のツールラックから、使う道具を押して出します。最初は台詞に分ける・気になる音・音量と間の三つが出ています。
- 波形の下の「仕上がりを聴く」で確かめてから、作業台のいちばん下で書き出します。
KUON ACTOR とは
録った声を、出せる音にするための作業台です。台詞に分け、口の音や破裂音を見つけて片づけ、音量と間を整え、声の色を変え、空間のどこに置くかを決め、出す先に合わせて書き出すまでを一つの画面で行います。マイク P-86S / X-86S をお求めの方に、無償で開いています。
すべての処理が、お使いのブラウザの中で終わります。声はどこにも送られません。稽古の録音も、まだ誰にも聴かせていない収録も、そのまま扱えます。
- 向いていること
- オーディションに送る音、ボイスサンプル、公演の記録から自分の場面を取り出す、ボイスドラマ、朗読とナレーション、音声作品、ASMR、ポッドキャスト。
- 向いていないこと
- 多重録音、長時間の全編集、5.1 以上の書き出し、音楽のミックス。これらは KUON DAR と KUON DAR 3D にあります。
開き方とパスワード
- kuon-rnd.com/actor を開きます。会員登録は要りません。
- 購入確認メール、または製品に同梱のカードにあるパスワードを入力します。
- 一度入れると、同じ端末では次から入力が要りません。
パスワードは、KUON STAGE と KUON NORMALIZE と共通です。マイクをお持ちの方どうしで同じものを使っています。仲間の証としてお使いください。
画面の見かた
画面は左右に分かれています。左が作業台、右が道具の棚です。広い画面では、左の作業台は動かずに残るので、道具を出し入れしても波形は見えたままです。
- 左 · 作業台
- 上から順に、音を入れる場所、波形、仕上げて出す場所。ここだけで、読み込みから書き出しまでが一通り終わります。
- 波形の下のボタン
- 丸い再生ボタンと停止ボタンです。再生を押すと一時停止に変わり、押した位置に留まります。停止は先頭に戻ります。空白キーでも再生と一時停止ができます。
- 右上の明暗の切り替え
- この画面だけを明るくしたり暗くしたりできます。サイトの他のページには影響しません。次に開いたときも覚えています。
- 右 · ツールラック
- 道具の名前を押すと、そのすぐ下に道具が積まれます。もう一度押すと片付きます。最初は台詞に分ける・気になる音・音量と間の三つが出ています。要らない道具は片付けて、必要になったら出してください。
音を入れる
- 録ってある音を選ぶ
- WAV、MP3 など、ふつうの音のファイルが開けます。レコーダーで録ったものも、スマートフォンで録ったものも扱えます。
- いま、このマイクで録る
- パソコンにつないだマイクから、その場で録れます。押すとブラウザがマイクの使用を尋ねますので、許可してください。録音中は経過時間と、二本のレベルの棒が出ます。上が瞬間の大きさ、下が平均の大きさです。
レベルの棒が赤に届かない範囲で、なるべく大きく録ってください。赤に触れると音が割れます。録音では、ブラウザ側の自動音量調整と雑音抑制を切ってあります。マイクが拾った音をそのまま残すためです。
波形の見かた
音を入れると、作業台の真ん中に波形が出ます。耳で決める人も、探すときは目を使います。0.02 秒の口の音を全体表示から探すのは無理なので、拡大して見つけます。
- 上の目盛り
- 何分何秒かを示します。拡大すると刻みが細かくなり、寄りきると 0.05 秒まで読めます。
- 目盛りのすぐ下の帯
- 台詞です。使うものは色がつき、外したものは灰色になります。帯を押すと、その場で使う・使わないが切り替わります。
- 真ん中の波
- 音そのものです。ステレオなら上が左、下が右に分かれます。片方だけに入った物音は、ここで見つかります。
- 下の三段
- 上から、口の音、破裂音、息です。「気になる音」の道具で探すと、ここに印が立ちます。消さないことにした印は灰色に落ちます。
- 波形を押すと、その場所に白い線が立ちます。再生ボタンを押すと、そこから鳴ります。再生中に押せば、その場に飛びます。
- 横に引くと範囲を選べます。範囲があるあいだは、再生ボタンがその範囲だけを鳴らします。「選び直す」で解除できます。
- 全体・−・+ の三つのボタンで、引いたり寄ったりします。寄っているときは、隣のつまみで横に動かせます。
- 声が小さくて波が平らに見えるときは、「縦」のつまみを右へ動かしてください。読み込んだ時点で自動的に開いていますが、そこからさらに拡大できます。左端の 0dB や −24 の目盛りが、どのくらい小さい音かの目安です。
台詞に分ける
- 「無音のところで分ける」を押します。声の切れ目で自動的に区切られます。
- 一行ごとの丸いボタンで、その台詞だけを聴けます。
- 使わない台詞は、左の印を外します。外したものは仕上がりに入りません。
- 無音を詰める
- 分けたあとに出るボタンです。押すと、印のついた台詞だけが、決めた間で繋ぎ直されます。波形そのものが短くなり、ここから先の作業は詰めたあとの音に対して行われます。台詞と台詞のあいだに残す間は 0 秒から 2 秒まで選べます。0 にすると隙間なく繋がります。
- 元の音に戻す
- 詰めたあとに出るボタンです。押すと、読み込んだときの音に戻ります。詰め方を変えたいときや、切りすぎたときに使ってください。
三時間の稽古の録音でも、この手順で自分の場面だけを取り出せます。思ったところで切れないときは、声と声のあいだが短いか、部屋の音が大きい可能性があります。分けずに次へ進んでもかまいません。分けていない場合は、入れた音の全体がそのまま仕上げの対象になります。
気になる音を片づける
「探す」を押すと、口の中の小さな音、破裂音、息を見つけて一覧にします。機械が勝手に消すことはありません。一覧の丸いボタンでその音だけを聴き、消したくないものは印を外してください。
- 口の音
- 口を開くときや舌が離れるときに出る、短く鋭い音です。マイクを近づけるほど目立ちます。拾いやすさのつまみで、見つける量を変えられます。多すぎるときは左へ、取りこぼしがあるときは右へ動かしてください。
- 破裂音
- パ行やバ行で息がマイクに当たり、低くふくらむ音です。近い距離ほど出ます。マイクを口の正面から少しずらすと、録る段階で減らせます。
- 息
- 息は雑音ではありません。残す、小さくする、消す、の三つから選べます。ささやきの作品では息こそが作品です。朗読では邪魔になることがあります。芝居では演技の一部です。同じ道具が、目的に応じて反対の働きをします。
消しすぎると、人の声に聞こえなくなります。全部消すのが正解ではありません。一覧を聴いて、耳障りなものだけを選んでください。
音量と間を整える
- 台詞ごとに音量を揃える
- 叫ぶ場面とささやく場面が並んでいても、聴く人が途中で音量を触らずに最後まで聴けるようになります。演技の起伏そのものを消すわけではありません。
- 台詞の間
- 間を伸ばしたり詰めたりできます。間は演出です。急いで聞こえるとき、間延びして聞こえるとき、録り直さずにここで直せます。
声の色を変える
- 音の調整
- 低い唸りを抑える、こもりを抜く、通りをよくする、耳に刺さる音を丸める、ささやきを近くする。まず言葉のボタンを押してください。下の七本のつまみがそこへ動きます。そこから、気になるところだけを動かします。数字を覚える必要はありません。
- ばらつきを抑える
- 叫びが割れず、ささやきが埋もれないようにします。かかり始める大きさと、抑える強さの二つで決めます。強くかけすぎると、演技の起伏まで平らになります。
- 部屋の響き
- つまみ一本です。0 が録ったまま。左へ引くと、台詞と台詞のあいだに残っている部屋の音が薄くなり、デッドな録音に近づきます。引きすぎると声の余韻まで切れて聞こえます。右へ引くと響きが足され、広い部屋で録ったように聞こえます。0 に戻すボタンもあります。
声を空間に置く
ヘッドホンで聴いてください。円の中心が聴いている人、上が正面です。円の上を押すと、その場所に声が立ちます。高さのつまみを上げれば頭より上から、遠さのつまみを絞れば耳のすぐ横から届きます。
- 回り込む · 通り過ぎる
- 登場人物が聴き手のまわりを歩く場面に使います。動く時間を長くするとゆっくり、短くすると足早になります。
- 近づいてくる · 揺れる
- 遠くから歩み寄る場面、耳打ちの場面に使います。ささやきの作品では、遠さを絞って置くだけでも効きます。
- 動きを記録する
- 押すと音が鳴りはじめます。その間に円の上で声を動かすと、手の跡がそのまま残ります。もう一度押すと記録が終わります。記録があるときは、決められた動きより記録が優先されます。記録の長さと点の数が出るので、要らなければ消せます。
この動きが本当に効くのは、人が演じた声だけです。息づかいが動きと一緒に入っているからです。
指向性の現像
ポッドキャストのように、左右をひとつにまとめて出すときの道具です。二つの振膜で録った音から、狙った向きの一本を作ります。前だけ拾う、前を強く狙う、前と後ろ、広め、の四つから選べます。
「録ったときの左右の間隔」には、その現場で実際に使った間隔の値を入れてください。よく使う 30・40・50 cm はボタンから入ります。実際と違う値を入れると、狙った向きになりません。
確かめて、出す
「数字で確かめる」の道具で、声の大きさ、いちばん大きいところ、声の通り、左右のバランスを言葉で示します。右の小さな数字は、必要な方のために添えてあります。
- 作業台のいちばん下で、出す先を選びます。音声作品、動画サイト、ポッドキャスト、オーディション用の四つです。
- 「マスターチェックで整える」を押します。いまの音と、整えたあとの音の大きさとピークが並び、出す先の目安と照らして整ったかどうかが出ます。整えた音はそのまま鳴ります。
- 波形の下の「仕上がりを聴く」でも、ここまでの設定が全部かかった音を確かめられます。
- 納得できたら、WAV か MP3 で書き出します。
書き出すときに、選んだ出す先の大きさへ自動で合わせ、上限を越えないように整えます。数字をご自分で合わせる必要はありません。WAV は音を落とさない形式、MP3 は送りやすい形式です。オーディションで指定がなければ MP3 で足ります。
よくあるご質問
- 口の音は、全部消したほうがいいですか。
- いいえ。全部消すと人の声に聞こえなくなります。一覧を聴いて、聴いていて気になるものだけを選んでください。判断はあなたのものです。
- 息を消したら、不自然になりました。
- 「消す」ではなく「小さくする」をお試しください。息は演技の一部です。朗読では小さく、ささやきの作品では残す。芝居では残したほうが伝わることが多いです。
- 録った声が小さすぎました。
- 書き出すときに、選んだ出す先の大きさへ自動で合わせます。ただし、もともと小さすぎる録音を持ち上げると、部屋の音も一緒に大きくなります。次からはマイクを少し近づけるか、録音機側の入力を上げてお試しください。
- 声はどこかに送られますか。
- 送られません。すべての処理が、お使いのブラウザの中で終わります。まだ誰にも聴かせていない収録も、そのままお持ちください。
- 長い録音も扱えますか。
- 扱えますが、長いほど処理に時間がかかり、お使いの端末の負担も増えます。公演をまるごと入れるより、必要な場面を先に切り出してから入れるほうが軽く進みます。長時間の全編集は KUON DAR の領分です。
- スマートフォンでも使えますか。
- ブラウザで動きますので開けますが、細かい選び分けと聴き比べにはパソコンとヘッドホンをおすすめします。とくに空間に置く手順は、ヘッドホンでないと違いが分かりません。
- KUON DAR や DAR 3D と何が違うのですか。
- ACTOR は声の作品を一本、仕上げて出すまでの一本道です。多重録音、長時間の全編集、5.1 以上の立体音響は DAR と DAR 3D にあります。ACTOR で足りなくなったら、そちらへお進みください。
- パスワードが分かりません。
- 購入確認メール、または製品に同梱のカードに書いてあります。見当たらないときは 369@kotaroasahina.com までご連絡ください。