目次
DAR 3D で配置した空間オーディオを、納品用の形式で書き出す手順を説明します。
ADM(BW64)とアンビソニックス、バイノーラル WAV を書き分けられます。
チャンネルベースとオブジェクトベースの違い、ambiX 1次の意味も分かります。
この機能は Concerto の機能です。
空間オーディオをどう書き出すのか
- DAR 3D で音源を配置し、書き出しバーを開きます。
- 書き出す形式をボタンから選びます。
ボタンは「バイノーラル WAV」「選択ベッド WAV」「選択ベッド ADM」「アンビソニックス」「オブジェクト ADM」の5つです。 - チャンネルベースの ADM がほしければ「選択ベッド ADM」を、オブジェクトベースなら「オブジェクト ADM」を選びます。
- 選択ベッド WAV では、2 / 6 / 12 / 16 / 24ch のチャンネル構成から決めます。
書き出しでは何が起きているのか
BW64 は WAV を拡張したコンテナです。
ds64 チャンクでサイズ情報を書くため、4GB を超えるサイズを扱えます。
ADM(Audio Definition Model)は ITU-R BS.2076 で定められた、空間オーディオの配置を記述するメタデータ形式です。
この機能は ADM の情報を axml(ADM 用 XML)チャンクとして BW64 に埋め込み、chna(チャンネル割り当て)チャンクでチャンネルとトラックの対応を書きます。
名前空間は ITU-R BS.2076-2 を使います。
チャンネルベースは DirectSpeakers 型です。
音をあらかじめ決めたスピーカー位置(ベッド)に割り当てる方式です。
オブジェクトベースは Objects 型です。
個々の音を位置情報つきのオブジェクトとして書き出し、再生側が配置を決めます。
オートメーションがある場合は、位置や音量の変化を0.2秒刻みの audioBlockFormat として列挙します。
上限は2000ブロックです。
アンビソニックスは音場を球面調和関数で表す方式です。
ここで書き出すのは1次の ambiX 形式で、4ch WAV として出ます。
チャンネル順は ACN、正規化は SN3D です。
バイノーラル WAV はヘッドホンで聴くことを前提とした2chの書き出しです。
出力はすべて24bit固定、サンプルレートは AudioContext のレート(通常48kHz)で、選択する画面はありません。
何に気をつけるのか
Dolby Atmos 互換ではありません。
Atmos 固有のプロファイル、dbmd チャンク、Atmos Master ADM BWF の規約に対応する実装はありません。
Atmos 納品を求められた場合は、その規約に沿った別の工程が必要です。
bext(放送用の拡張チャンク)は書きません。
放送局の規約で bext を必須としている場合があります。
アンビソニックスは1次のみで、2次以上、FuMa、N3D には対応していません。
オートメーションの audioBlockFormat は上限2000ブロックです。
書き出しバーでは、ADM / アンビソニックス / オブジェクトについて「初版で取り込み要確認」と表示されます。
納品先での取り込みを確認してください。
この機能は Concerto の機能で、無料プランでのプレビューはありません。
何が書き出せるかをこの記事で確認し、必要かどうかを判断してください。


