コンデンサーマイクとダイナミックマイク。
マイク選びで最初に出会うこの分岐は、実は「どちらが高音質か」ではなく「どんな場面で使うか」の分岐です。
この記事では、録音の現場で音響機材を扱ってきた立場から、2つの方式の仕組みの違いと、迷わない選び分けの基準を解説します。
読者コンデンサーの方が高いから高音質、という理解で合っていますか
半分だけです。繊細さと情報量はコンデンサーが有利ですが、世界の名盤のボーカルにはダイナミックで録られたものも数多くあります。方式は優劣ではなく得意分野の違いです。あなたの部屋と用途に合う方が、あなたにとっての高音質マイクになります。
筆者
仕組みの違いを1分で
- コンデンサーマイクは、薄い膜の振動を電気の変化として捉えます。
感度が高く細部まで拾えるかわりに、電源 (ファンタム電源48V) が必要で、湿気や衝撃にやや繊細です。 - ダイナミックマイクは、膜につながったコイルが磁石の中で動いて電気を生みます。
電源不要で頑丈、大音量に強いかわりに、感度は控えめです。
判断基準は「部屋」です
スペック表よりも先に、自分の部屋を見てください。
エアコンの音、外の車、家族の生活音。
雑音を止められない部屋では、感度の低いダイナミックの方が結果が良くなります。
逆に、夜間や整った部屋を確保できるなら、コンデンサーの繊細さが活きます。
プロの機材選びも、実はこの順番です。
それぞれの代表機
各方式の入門代表
同じメーカーの同価格帯なので、方式の違いがそのまま比べられます。
オーディオテクニカ
audio-technica AT2020
★★★★★★★★★★4.5編集部の推し度
製品のポイントエントリー価格でスタジオ品質を実現した定番のコンデンサーマイクです。オーディオテクニカらしいクリアでナチュラルな音を受け継ぎ、専用スタンドマウントが付属します。宅録のボーカルやアコースティック楽器の録音で、初めてのコンデンサーマイクとして長年選ばれ続けている一本です。耐久性にも定評があり、10年単位で使い続ける人も珍しくありません。
コンデンサー入門の世界的定番です。感度の高さが活きる環境なら、この価格で歌もアコースティック楽器も繊細に収められます。
価格と在庫は各販売店でご確認ください
オーディオテクニカ
audio-technica AT2040
★★★★★★★★★★4.5編集部の推し度
製品のポイント不要な部屋鳴りや騒音を抑えて録りたい音に集中できる、ハイパーカーディオイド特性のダイナミックマイクです。エアコンやキーボードの音を拾いにくく、自宅での配信・ナレーション録音に向きます。コンデンサーマイクで部屋の音が気になる人の解決策になる一本です。XLR接続でオーディオインターフェースと組み合わせて使います。
配信向けダイナミックの定番です。部屋の雑音を拾いにくく、環境を整えられない部屋で「声だけを前に出す」仕事をします。
価格と在庫は各販売店でご確認ください
SHURE
SHURE SM7B
★★★★★★★★★★4.5編集部の推し度
製品のポイントフラットでワイドな周波数特性を備えたダイナミック型マイクの定番機です。電磁ノイズへの遮蔽性が高く、ポッドキャストやボーカル録音の標準として世界中のスタジオで使われています。近接して話しても破綻しにくく、声を太く滑らかに録れるのが持ち味です。風防とショックマウント機構を内蔵し、設置してすぐ使える完成度です。
ダイナミックの到達点です。放送級の声の質感で、環境の悪さを設計で乗り越える1本。歌録りであえてコンデンサーではなくこれを選ぶプロもいます。
価格と在庫は各販売店でご確認ください
迷ったら、この基準で
価格は日々変動します。
各機種のカードのボタンから、今日の価格を見比べてください。
コンデンサーは壊れやすいと聞きました
通常の宅録で神経質になる必要はありません。使用後は出しっぱなしにせず、湿気の少ない場所で保管する。この基本だけで長く使えます。
両方持つ意味はありますか
あります。プロの現場では音源と環境で使い分けるのが標準で、宅録でも「配信はダイナミック、歌録りはコンデンサー」という2本体制は合理的な到達点です。
ピアノやバイオリンを部屋の響きごと録りたい場合は
楽器と空間をまとめて収めるなら、無指向性のステレオマイクによる録音が本流です。空音開発ではアコースティック楽器専用のステレオマイクを製作しています。詳しくは[マイクのページ](/microphone)をご覧ください。
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方式の違いを知れば、マイク選びの迷いは半分になります。
残り半分は、あなたの部屋が教えてくれます。
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