空音開発Kuon R&D
録音機材 · 2026.02.15

ラックケースの選び方|3つの質問で買う1台が決まる。1U・2U・4Uの寸法と重量つき

持ち出すのか、部屋に据えるのか、机に置くのか。3 つの質問に答えると、買う 1 台が決まります。1U は 44.45mm、2U は 88.9mm、4U は 177.8mm。14 台の外寸と重量、奥行きの決め方、買って後悔しないための確認までまとめています。

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目次

マイクプリアンプを机に直置きしていませんか。
現場へ行くたびに、機材を素手で抱えて運んでいませんか。
後ろのケーブルは、動かすたびに抜けませんか。

この記事は、あなたが買う 1 台を決めるためのものです。
14 台を並べて選ばせることはしません。
3 つの問いに答えると、買う 1 台が決まります。

3 つの問いに答えてください
  1. 機材を外へ持ち出しますか1/3

    持ち出すなら A。部屋から出さないなら B。机の上に置きたいだけなら C。

  2. 持ち出す機材は何台ですか2/3

    高さを足します。1 台 1U のものもあれば、2U を占めるものもあります。合計に 1U を足してください。熱の逃げ道です。

  3. いちばん奥行きのある機材は何センチですか3/3

    ケーブルを挿した分として 5cm を足します。この数字が、ケースの奥行きの下限です。

A 持ち出す人が買う 1 台

CLASSIC PRO CPR4UE 4U ラックケース
CLASSIC PRO CPR4UE 4U ラックケース

持ち出すなら、これを買ってください。私が現場で使ってきた型です。2U のマイクプリと 1U の変換機と 1U の電源が、そのまま収まります。本体は約 7.5kg、外寸は幅 52cm 奥行 49cm 高さ 21cm。奥行きは 36cm と 46cm から選べます。向かないのは、合計が 5U を超える人と、電車で階段を上がる人です。その場合は下の 6U か、2U を 2 つに分けてください。

価格と在庫は各店でご確認ください

4U を勧める理由は 1 つです。
現場で組む構成のほとんどが、ここに収まるからです。
足りなければ 2 つ目を買えば済みます。
最初から 12U を買うと、一人で運べなくなります。

B 部屋に据える人が買う 1 台

CLASSIC PRO CPS08W 8U スタジオラック キャスター付き
CLASSIC PRO CPS08W 8U スタジオラック キャスター付き

持ち出さないなら、これを買ってください。足元に置いて、重い電源やパワーアンプを収めます。本体は約 18kg。2 つ並べて天板を渡すと、そのまま机になります。蓋がないので熱が逃げ、背面の配線に手が届きます。向かないのは、賃貸で床の荷重が気になる人と、将来これを持ち出す可能性がある人です。

価格と在庫は各店でご確認ください

C 机の上で使う人が買う 1 台

K&M 40900 8U デスクトップ用ラックスタンド
K&M 40900 8U デスクトップ用ラックスタンド

机の上なら、これを買ってください。本体は約 4.4kg の枠だけです。傾斜が付いているので、座ったまま、つまみと表示が見えます。配線の入れ替えも簡単です。向かないのは、機材を人の目に触れさせたくない人と、持ち運ぶ人です。枠なので埃は防げません。

価格と在庫は各店でご確認ください

買わない理由を、先に潰します

奥行きを間違えたらどうなるか

蓋が閉まりません。
後ろのケーブルが折れます。
同じ型で奥行きだけ違うものが用意されているので、迷ったら大きいほうを選んでください。
余った奥行きは、ケーブルの収納になります。

重すぎたらどうなるか

本体の重さに、機材の重さが積み上がります。
4U に詰めると 15kg を超えることがあります。
階段がある現場なら、2U を 2 つに分けてください。
分けると、今日の現場に必要な箱だけを持ち出せます。

ネジは別売りか

この記事の製品は、取り付けネジとリアラックレールが付属します。
買い足すものはありません。

ラックケースで音は変わるか

基本的に変わりません。
だからこそ、ケースに費用をかけすぎず、マイクとプリアンプに回したほうが結果は良くなります。

1U から 16U までの寸法早見表

決めた型の大きさを変えたいとき、この表を使ってください。

U 数と寸法の早見表
U 数ラック内側の高さこの記事で載せた型の外寸の高さ本体の重量向く場面
1U44.45mm7cm(CPR1USII・ゴム脚 1cm は別)サウンドハウス約 4kg機材 1 台を守って運ぶ
2U88.9mm12cm(CPR2USII)/ 15.5cm(CPA02)サウンドハウス約 5kg / 約 4kgマイクプリと変換機の 2 台
3U133.35mm20cm(CPA03)サウンドハウス約 4.5kg録音の最小構成
4U177.8mm21cm(CPR4UE)/ 24.5cm(CPA04)サウンドハウス約 7.5kg / 約 5kg現場で持ち出す中核
6U266.7mm30cm(CPR6UE)/ 38.7cm(RR6UEDHW)サウンドハウス約 10kg / 約 15kg多点録音の一式
8U355.6mm据え置き型(CPS08W)サウンドハウス約 18kgスタジオに置く
12Uサウンドハウス533.4mm73.8cm(CPC12W)サウンドハウス約 32kg車で運ぶ前提
16Uサウンドハウス711.2mm76cm(RR16UAD)サウンドハウス約 29kg常設に近い運用

内側の高さは 1U = 44.45mm から計算しました。外寸と重量は、サウンドハウスの各商品ページを 2026 年 10 月 1 日に見て書き写した値です。奥行きは同じ型でも 20cm から 58cm まで選べるものがあります。

持ち上げたときの重さ(本体だけ)
1U CPR1USII約 4kg
4U CPR4UE約 7.5kg
6U CPR6UE約 10kg
6U RR6UEDHW(キャスター付き)約 15kg
8U CPS08W(スタジオ用)約 18kg
16U RR16UAD約 29kg
12U CPC12W約 32kg

機材を入れると、この上に機材の重さが積み上がります。

条件が違う人のための、残りの選択肢

上の 3 台で決まらないときだけ、ここを見てください。

持ち出す機材が 2 台までのとき

CLASSIC PRO CPR1USII 1U ショートラックケース
CLASSIC PRO CPR1USII 1U ショートラックケース

機材 1 台だけを守って運ぶ箱です。本体は約 4kg、高さは 7cm。奥行きは 20cm、25cm、30cm から選べます。

価格と在庫は各店でご確認ください
CLASSIC PRO CPR2USII 2U ショートラックケース
CLASSIC PRO CPR2USII 2U ショートラックケース

マイクプリと変換機の 2 台を、浅い奥行きで運ぶ組み合わせです。本体は約 5kg、高さ 12cm。奥行き 20cm を選ぶと、電車での移動でも体の負担が小さくなります。

価格と在庫は各店でご確認ください

積み重ねて、面をそろえたいとき

CLASSIC PRO CPA02 2U ラックケース
CLASSIC PRO CPA02 2U ラックケース

積み重ねの系列の 2U です。本体は約 4kg。同じ系列の 3U・4U と面がそろうので、縦に積んでも安定します。

価格と在庫は各店でご確認ください
CLASSIC PRO CPA03 3U ラックケース
CLASSIC PRO CPA03 3U ラックケース

2U では足りず、4U では余るときの 3U です。本体は約 4.5kg、高さは 20cm。

価格と在庫は各店でご確認ください
CLASSIC PRO CPA04 4U ラックケース
CLASSIC PRO CPA04 4U ラックケース

積み重ねる前提の 4U です。本体は約 5kg と軽く、奥行きは 20cm から 42cm まで選べます。面をそろえて 2 段で運ぶ人はこちらです。

価格と在庫は各店でご確認ください

マイクを多く立てる収録のとき

CLASSIC PRO CPR6UE 6U ラックケース
CLASSIC PRO CPR6UE 6U ラックケース

多点録音の一式がまとまります。本体は約 10kg、外寸は幅 52cm 奥行 49cm 高さ 30cm。ここから先は、持ち上げる回数を減らす工夫が要ります。

価格と在庫は各店でご確認ください
ROADREADY RR6UEDHW 6U ラックケース ハンドル・キャスター付き
ROADREADY RR6UEDHW 6U ラックケース ハンドル・キャスター付き

同じ 6U でも、持ち手と車輪が付くと運用が変わります。本体は約 15kg。床を転がせるので、公共の交通機関でも動かせます。駅の階段と、会場の搬入口の段差だけ先に調べてください。

価格と在庫は各店でご確認ください

車で運ぶ、または常設に近い運用のとき

CLASSIC PRO CPC12W 12U ラックケース
CLASSIC PRO CPC12W 12U ラックケース

本体だけで約 32kg、外寸は幅 53.5cm 奥行 58cm 高さ 73.8cm です。機材を入れれば 50kg を超えます。車での移動が前提になります。一人で階段を上げる計画は立てないでください。

価格と在庫は各店でご確認ください
ROADREADY RR16UAD 16U ラックケース
ROADREADY RR16UAD 16U ラックケース

本体で約 29kg、高さ 76cm。移動よりも、決まった場所に据えて、たまに動かす運用になります。別売りのキャスターボードに固定できます。

価格と在庫は各店でご確認ください
ROADREADY RR12MWAD キャスターボード
ROADREADY RR12MWAD キャスターボード

据え置きのラックを、掃除のときだけ動かしたい場合に使います。本体は約 9.9kg。床に直接置くより、埃と湿気から機材を離せます。

価格と在庫は各店でご確認ください

ラックに収める楽器を運ぶとき

BEHRINGER 2600
BEHRINGER 2600

ラックに収める形の楽器です。8U の高さを占めるので、運ぶなら 12U のケースに余白を持たせる形になります。楽器と録音機材を同じ箱で運ぶときの計算に使ってください。

価格と在庫は各店でご確認ください

分けて運ぶと、腰を痛めません

12U にすべて詰め込むと、一人では運べなくなります。
機能ごとに分けるのが現場の作法です。

変換機の 2U、マイクプリアンプの 2U、電源とその他で 2U。
この形にしておくと、今日の現場に必要な箱だけを持ち出せます。
同じ 4U でも、2U を 2 つで組むほうが運用は軽くなります。

2U のケースに 1U の機材だけを入れることもあります。
空いた 1U は、現場でケーブルをまとめる場所になり、同時に熱の逃げ道になります。
発熱する機材でラックを埋めると、そこから故障が始まります。

現場へ機材を送るときの鉄則

自分の手で運びきれない量の機材は、宅配便で現場へ送ります。
ここで知っておくことが 1 つあります。

伝票の品名に「バッテリーなし」と書くことです。

長い距離の輸送には航空機が使われます。
マイクプリアンプやレコーダーは、検査だけでは中に電池が入っているか判別しにくい機材です。
品名に「音響機材」とだけ書くと、電池が含まれる疑いがあると判断され、陸路や船に回されることがあります。
翌日に着くはずの荷物が、1 週間かかります。
収録の当日には間に合いません。

だから、品名欄にはこう書きます。

「音響機材(レコーダー・マイク)電池・バッテリーなし」

この一行で、航空機への搭載がそのまま通ります。
もちろん、実際に電池は抜いて手荷物で運びます。
集荷の方からも、検査で電池が見つかれば船便になりますと念を押されます。

北海道と沖縄への配送は、さらに余裕を見ます。
中 1 日で着くという予定を信じないでください。
台風、大雪、繁忙期の貨物の空き。
どれも自分では動かせません。
前日着ではなく、2 日前に着く計画を立てます。

よくある質問

2U の寸法は何センチですか

ラックの内側の高さが 88.9mm です。外寸は製品で変わり、この記事で載せた 2 台では高さ 12cm と 15.5cm でした。幅はどの製品も 19 インチ、482.6mm で共通です。

4U のケースには機材を 4 台入れられますか

入れられるとは限りません。U はケースに入る高さの単位で、機材 1 台が 1U とは限らないためです。2U の機材が 1 台と 1U の機材が 2 台で、合計 4U になります。

奥行きはどう選べばよいですか

いちばん奥行きのある機材に、ケーブルを挿した分として 5cm を足します。その数字より大きい奥行きを選びます。迷ったら大きいほうです。余りはケーブルの収納になります。

1U に満たないハーフラックの機材はどうしますか

1U にまとめるためのアダプターがあります。2 台を横に並べて 1U として固定できます。

取り付けのネジやレールは別に買う必要がありますか

この記事で挙げた製品には、取り付けネジとリアラックレールが付属します。買い足すものはありません。

すべてを 1 つの大きなケースにまとめてよいですか

勧めません。12U で本体だけ 32kg、機材を入れると 50kg を超えます。機能ごとに 2U を 3 つに分けると、現場に必要な分だけを持ち出せます。

迷ったら、この 1 本です

読み終えて、まだ決めかねているなら、この 1 本から始めてください。
向かない場合は、札の中に書いています。

CLASSIC PRO CPR4UE 4U ラックケース
CLASSIC PRO CPR4UE 4U ラックケース

持ち出すなら、これを買ってください。私が現場で使ってきた型です。2U のマイクプリと 1U の変換機と 1U の電源が、そのまま収まります。本体は約 7.5kg、外寸は幅 52cm 奥行 49cm 高さ 21cm。奥行きは 36cm と 46cm から選べます。向かないのは、合計が 5U を超える人と、電車で階段を上がる人です。その場合は下の 6U か、2U を 2 つに分けてください。

価格と在庫は各店でご確認ください

使わない機材を、部屋から出す

ラックで動線を整えても、活動が長くなるほど「いま使わないが手放せない機材」と「貴重な記録」は増えます。
部屋の床は増えません。
制作の場所が保管庫になると、作業そのものが遅くなります。

私は、空調の効いた外部の倉庫を、スタジオの拡張として使っています。
理由は 2 つです。

ひとつは、アナログ媒体を守るためです。
オープンリールのテープ、レコード盤、DAT。
日本の夏の湿気は、テープの加水分解と盤の反りを起こします。
押し入れで除湿剤と戦うのは、賭けに近い管理です。
西洋音楽史を見れば、火事や災害で作品のほとんどを失い、名前が残らなかった作り手がいます。
温度と湿度が一定に保たれた場所へ逃がすことは、作品を残すための備えです。

もうひとつは、現地への直送です。
年に数回しか使わない大きな機材を預けておき、依頼が入ったら、現地のスタジオや滞在先へ直接届くように手配します。
重い機材を自宅から運び出す工程が、まるごと消えます。
終わったら現地から倉庫へ戻します。

部屋には、いま必要な音だけを置く。
この形にすると、考えることが減ります。

重い機材を運んできた人間が、苦笑いした話

ここまで、重い機材を守る話をしてきました。
最後に、これと反対のことを書きます。

私が作ったマイク P-86S は、小さなレコーダーに直接挿して使える方式です。
この方式は、仕事の現場では軽く見られてきました。

現場で、依頼主に機種名を伏せて 2 つの音を聴き比べてもらったことが何度もあります。
片方は、業界で標準とされる組み合わせです。
大きなマイクと、高価なマイクプリアンプと、それを収めたラックケース。
もう片方は、P-86S と小さなレコーダーだけ。
鞄のポケットに入ります。

「後のほうが、空気感があって生々しいですね。
こちらを採用します」

こう言った依頼主は、一人や二人ではありません。
何十キロもの機材を運んできた私が、苦笑いするしかありませんでした。
音は、値段では決まりません。

ラックを組む楽しさは本物です。
そのうえで、マイク 1 本とレコーダーだけで、標準とされる組み合わせと並ぶことがあります。
まず、音を聴いてみてください。

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