目次
良いマイクの音が出ない原因は、アンプ側にある
「せっかく良いコンデンサーマイクを買ったのに、思ったほど音が良くない」。
その原因の多くは、マイクではなくマイクプリアンプとオーディオインターフェイスにあります。
マイクロフォンはマイクアンプと AD コンバーターがそろって初めて性能を発揮します。
この記事では、選び方の 3 つの基準と、インターフェイス 5 機種・単体マイクプリ 5 機種・ポータブル 3 機種を紹介します。
失敗しない選び方の 3 つの基準
ゲインの余裕と S/N 比
ダイナミックマイクやリボンマイクは大きなゲインを必要とします。
安価なインターフェイスでゲインを上げると「サー」というホワイトノイズが乗りがちです。
低ノイズでクリアに増幅できるディスクリート回路搭載のモデルを選んでください。
「色付け」か「透明感」か
マイクプリには 2 つの方向性があります。
NEVE や API に代表される、通すだけで音が太く音楽的になる色付け(カラー)系。
そして RME や Grace Design のように、マイク本来の音をありのままに収録する透明(クリア)系です。
自分のマイクの特性と目指す音で選ぶのが上級者への第一歩です。
筆者は透明感を重視する立場なので、RME 系を推奨しやすい傾向にあります。
色付け系の機材にはトランスが入っていることがほとんどで、極太のアナログ系サウンドはトランスの音であることが多いです。
一方トランスレス(TL)は透明感があり、人によっては物足りなく感じることもあります。
筆者はトランスレス派で、極限までシンプルにした設計を好みます。
AD/DA コンバーターの質
増幅した信号をデジタルに変換する AD/DA の質も、最終的な解像度を左右します。
マイクプリの質とセットで確認してください。
インターフェイス編おすすめ 5 選
ステレオペア録音が中心なら Babyface Pro FS で十分なことが多く、UCX II はオーバースペック気味ですが、常設スタジオや業務用途なら間違いの起こらない選択です。
単体マイクプリ編おすすめ 5 選
ISA One は最大 80dB のハイゲイン設計で、感度の低いリボンマイクやダイナミックマイクもノイズを抑えて増幅できます。
DI チャンネルを備え、弾き語りの同時録音にも向きます。
「いつかは単体マイクプリを」と考える人の最初の一台として定番です。
ポータブル編 3 選
- Sound Devices MixPre-3 II|トランス由来の太いサウンドで映像現場にも強い
- ZOOM F3|2ch の 32bit フロート機。
ワンポイント録音に最適 - TASCAM Portacapture X8|32bit フロートで 8 トラック。
安価な X6 とは音が別物なので、音にこだわるなら必ず X8 を
中古市場では Sound Devices 702T も素晴らしいマイクアンプです。
ただし内部でデジタル化されるため、マイク入力からそのままアナログ出力できない点は把握しておいてください。
高性能アンプほど、マイクの実力が露わになる
「良いマイクプリを使えばどんなマイクでも良い音になる」というのは神話です。
正しくは「高性能なアンプほど、マイクの真の実力(あるいは粗)を残酷なまでに暴き出す」です。
アンプ側のノイズや歪みが取り払われた結果、露わになるのはマイクが捉えた信号そのものです。
音の立ち上がり(トランジェント)への追従も、マイク側の振動板が鈍ければアンプに届く前に丸まってしまい、失われたアタック感は二度と戻りません。
アンプへの投資と同じくらい、マイク選びを大切にしてください。



