空音開発Kuon R&D
映像編集 · 2026.07.29

DaVinci Resolveが重い・カクカクする原因と対処。低スペックPCでも演奏動画を編集する設定

目次

再生ボタンを押すと、映像だけが止まる

音は普通に進んでいる。

けれど映像が、数フレームおきに固まる。

カットの位置を決めたいのに、そもそも演奏がまともに再生できない。

タイムラインをスクロールすると、砂時計が回る。

ノードを一つ足しただけで、プレビューが紙芝居になる。

このとき、多くの人が最初に考えることは決まっています。

パソコンを買い替えるべきだろうか、と。

その前に、確認してほしいことがあります。

DaVinci Resolveが重い原因は、パソコンの性能ではないことがほとんどです。

原因は、あなたのパソコンではない

スマートフォンやミラーレスカメラが記録する映像は、H.264あるいはH.265 (HEVC) という形式で圧縮されています。

ファイルサイズを小さくするために作られた、配信向けの形式です。

この形式は、一枚一枚の絵を独立して保存していません。

「前のフレームからの変化ぶんだけ」を記録することで、容量を切り詰めています。

これをフレーム間圧縮といいます。

配信するには非常に優秀な仕組みですが、編集には最悪です。

タイムライン上の任意の一点を表示するために、そこへ至るまでの複数のフレームをその都度計算し直さなければならないからです。

再生するとは、休みなく解凍し続けることを意味します。

つまり、重さの正体は編集に向かない形式を、編集に使っていることにあります。

特にiPhoneのH.265や、10bitで撮られたLog素材は、この負荷が大きい。

そして、この問題は設定で解決できます。

買い替えは、その後に検討することです。

対処1 まず、これだけで八割は変わる

最も速く、最も効く設定から始めます。

所要時間は十秒です。

画面上部のメニューから、再生 → タイムラインプロキシ解像度 → ハーフを選んでください。

これは、再生中の内部処理を半分の解像度で行う設定です。

プレビューの精細さは落ちますが、書き出される映像の画質には一切影響しません。

編集中の見え方だけが変わります。

それでも足りなければ、クォーターまで下げられます。

カットの位置決めや、演奏の間を詰める作業なら、クォーターでも支障ありません。

色を決める段階になったら、フルに戻してください。

グレーディングの判断だけは、精細な状態で行う必要があります。

もう一つ、同じメニューの中にプロキシハンドリングという項目があります。

ここは通常、既定のままで構いません。

これで再生が滑らかになるなら、あなたのパソコンは十分な性能を持っています。

問題は解決です。

対処2 最適化メディアをつくる
タイムラインプロキシでも足りない場合、次の手段に進みます。

最適化メディアとは、編集に向いた軽い形式で、素材の替え玉を作っておく機能です。

H.265のような重い形式を、DNxHRやProResといった、編集に最適化された形式へ変換します。

これらの形式は、一枚一枚のフレームを独立して保存しています。

容量は大きくなりますが、任意の位置を即座に表示できる。

編集中の負荷が、劇的に下がります。

手順はこうです。

メディアプールで、素材をすべて選択します。

右クリックして、最適化メディアを生成を選びます。

生成中はパソコンが忙しくなるので、その間は席を立ってください。

三十分の演奏なら、数分から十数分かかります。

生成が終わったら、再生 → 最適化メディアを使用にチェックが入っていることを確認します。

これでResolveは、編集中だけ軽い替え玉を参照し、書き出しのときには元の素材に自動的に戻ります。

画質は落ちません。

ここが、プロキシと最適化メディアの重要な性質です。

品質と保存先は、プロジェクト設定のマスター設定から変更できます。

容量に余裕がないなら、最適化メディアの形式を軽いものに変えてください。

対処3 レンダーキャッシュを使う
ノードを重ねたり、ノイズ除去をかけたりすると、そこだけ極端に重くなります。

この場合、素材ではなく処理が負荷の原因です。

メニューから、再生 → レンダーキャッシュ → スマートを選んでください。

Resolveが、重いと判断した部分だけを自動的に事前計算し、結果を保存します。

タイムラインの上部に赤い線が出て、それが青に変わったら計算完了です。

以降、その区間は滑らかに再生されます。

手動で範囲を指定することもできますが、まずはスマートで十分です。

なお、キャッシュは容量を消費します。

プロジェクトが増えてきたら、たまに削除してください。

再生 → キャッシュを削除、から実行できます。

それでも重いときに、見直す場所

ここまでやっても改善しない場合、環境そのものに原因があります。

上から順に、効果の大きいものです。

素材の置き場所。

外付けのHDDや、USBメモリから直接編集していませんか。

映像編集は、常に大量のデータを読み続ける作業です。

回転式のHDDでは、読み出しが追いつきません。

可能な限り、内蔵SSDか、USB接続のSSDに素材を移してください。

これだけで別のソフトのように変わることがあります。

空き容量。

起動ディスクの空きが残り少ないと、キャッシュも最適化メディアも置き場を失います。

最低でも数十GBは空けておいてください。

メモリ。

8GBでは、正直に言って苦しい。

16GBあれば、演奏動画の編集には十分です。

Resolveは環境設定のメモリとGPUの項目から、使用量の上限を調整できます。

GPU。

Resolveは処理の多くをGPUに任せます。

ノートPCの場合、内蔵グラフィックスだけで動いていることがあるので、環境設定で認識されているか確認してください。

バージョン。

最新版が常に速いとは限りません。

特定の環境で不具合が出ることもあります。

安定して動いていたバージョンがあるなら、無理に上げる必要はありません。

演奏動画なら、そもそも軽くできる
ここまでは、重い素材をどう扱うかという話でした。

けれど演奏動画に限れば、そもそも重い作業をResolveでやらないという選択肢があります。

演奏動画の編集工程を分解すると、大半は色ではありません。

スマートフォンで撮った映像に、レコーダーで録った音を合わせる。

前後の余分を切る。

音量を配信の基準に揃える。

必要ならテロップを入れる。

この工程に、カラーグレーディングは要りません。

そして、これらをResolveでやろうとすると、重い素材を延々と再生し続けることになります。

空音開発のビデオシンクは、この工程だけをブラウザで完結させる道具です。

映像と別撮り音声を投げ込むと、ずれを1000分の1秒単位で自動検出して音を差し替えます。

編集を加えなければ映像は再圧縮されないので、画質は撮影時のまま、書き出しも高速です。

音量はYouTubeなどの配信基準である−14 LUFSへ自動で調整されます。

処理はすべて端末の中で行われ、映像や音声がサーバーに送られることはありません。

無料の会員登録だけで使えます。

つまり、こう使い分けられます。

同期・カット・音量・テロップまでは、ビデオシンクで軽く済ませる。

色を本格的に追い込みたい映像だけ、Resolveに持ち込む。

低スペックのパソコンで演奏動画を作るなら、この分担がいちばん現実的です。

すべてをResolveで抱え込む必要は、ありません。

まとめ

DaVinci Resolveが重い原因の大半は、性能ではなく素材の形式です。

まずタイムラインプロキシ解像度をハーフに下げる。

足りなければ最適化メディアを生成する。

処理が重いならレンダーキャッシュをスマートにする。

この三つで解決しないときに、初めて素材の置き場所とメモリを疑ってください。

買い替えの判断は、そのあとです。

そして演奏動画なら、Resolveに持ち込む前に済ませられる工程がある。

道具は、重い作業を減らすために選ぶものです。

次は、その色の話に入ります。

LUTを当てる順序という、最も誤解の多い場所からです。

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