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仕上げ · 2026.07.29

HP ZBook Fury 15 G7 起動しない・BIOSに入れない症状の解決記録

HP ZBook Fury 15 G7 がZロゴで停止し、F9 Boot Menu や F10 BIOS Setup に入れなくなった起動トラブルの一次記録。原因はマザーボードではなく内蔵 1TB HDD だった。

目次

中古で入手した HP ZBook Fury 15 G7 Mobile Workstation で、Windows 11 Pro のクリーンインストール後に深刻な起動トラブルが発生し立ち往生。

これはぜひメモとして残しておきたいと記録しておきます。

みなさんもお困りの際は試してみてください。

電源を入れると ZBook ロゴ (Zロゴ) のまま停止し、F9 の Boot Menu にも F10 の BIOS Setup にも入れない。

Esc を押しても Entering Startup Menu の表示のまま先に進まない。

最終的な結論を先に書くと、原因はマザーボード故障ではなかった。

内蔵の 2.5 インチ 1TB HDD を取り外しただけで BIOS/Boot Menu が復活し、Windows の初期セットアップまで進めることができた。

この記事は、同じ症状に遭遇した人が検索でたどり着けるようにするための一次情報である。

DAW や音楽制作のワークステーションとして本機を使っている人、中古で入手して整備中の人の切り分けの参考になるはずだ。

症状: HP ZBook Fury 15 G7 がZロゴで止まる

発生した症状を具体的に挙げる。

  • 電源投入後、ZBook ロゴ / HP ロゴで停止する
  • Windows の回転アイコンは表示されない
  • Esc を押すと Entering Startup Menu と表示されるが、そこから進まない
  • F9 を押すと Entering Boot Menu と表示されるが、そこから進まない
  • F10 の BIOS Setup も進まない
  • F11 の Factory Recovery も Entering Factory Recovery の表示で停止する
  • F2 の Diagnostics も起動しない
  • キーボードバックライトは点灯する
  • ファンは回る
  • 画面表示はある

通電・ファン・画面出力は生きているため、完全なマザーボード死亡ではなさそうだと判断できた。

この「ロゴは出るのにファームウェアのメニューに一切入れない」という組み合わせが、本件の切り分けの出発点になる。

仕組みと条件は 音声のノイズ除去と音割れ修復について にまとめています。

対象機種と構成

症状発生時の構成
項目内容
機種HP ZBook Fury 15 G7 Mobile Workstation
CPUIntel Core i7-10750H
メモリ32GB
GPUNVIDIA Quadro T1000
ストレージ 1Primary M.2 SSD 512GB (キーボード下)
ストレージ 22.5 インチ SATA HDD 1TB (底面側)
拡張空き M.2 スロットあり (底面側)
OSWindows 11 Pro (クリーンインストール直後に発症)

最初に疑った原因

当初は以下を順に疑った。

  • BIOS/UEFI の破損
  • HP Sure Start の異常
  • Secure Boot / UEFI Boot Order の不整合
  • Windows Boot Manager の破損
  • Primary M.2 SSD の EFI 領域破損
  • USB インストーラーとの相性
  • マザーボード故障
  • 内蔵ストレージの検出停止

Windows回復領域の削除はBIOS不具合の直接原因ではない

クリーンインストールの過程でパーティション構成を触っていたため、回復領域まわりを疑う気持ちもあった。

しかし F9 の Boot Menu や F10 の BIOS Setup は、本来 OS の状態に依存せず起動できるはずのものである。

Windows 側がどれだけ壊れていても、ファームウェアのメニューにすら入れないのは別の階層の問題だ。

この整理から、単なる Windows の破損ではなく、BIOS/UEFI がストレージの列挙 (接続されたディスクの検出処理) の途中で停止している可能性が高い、という仮説を立てた。

試したことの時系列

電源リセットと放電

  • 電源ボタン長押しで強制オフ
  • AC アダプタの取り外し
  • 外部 USB 機器をすべて取り外し
  • 30 秒から 60 秒の放電
  • 再起動

結果: 改善せず。

Zロゴ停止のまま。

CMOSリセット (電源ボタン25秒長押し)

HP 公式の手順に近い形で実施した。

  • 電源オフ
  • 電源ボタンを約 25 秒長押し
  • 再起動

結果: ファンが回り、いったん止まり、Zロゴで停止するという挙動は変わらず。

F9 / F10 / F11 / F2 の再確認

  • F9: Entering Boot Menu の表示で停止
  • F10: BIOS Setup に進まない
  • F11: Entering Factory Recovery の表示で停止
  • F2: Diagnostics が起動しない

結果: すべて失敗。

WindowsインストーラーUSBからの起動

Windows 11 のインストーラー USB と外付け SSD を接続して起動を試みた。

結果: そもそも Boot Menu に入れないため、外部メディアからの起動自体ができない。

空きM.2スロットにSSDを挿しても改善しなかった

底面側からアクセスできる空き M.2 スロットに、Windows インストーラーを書き込んだ SSD を装着してみた。

結果: 変化なし。

Zロゴ停止のまま。

Primary M.2 SSDはキーボード下にある

Web 検索を進めると、HP の ZBook / ProBook / EliteBook 系で「M.2 SSD が接続されていると BIOS や Boot Menu で止まる」「M.2 を外すと BIOS に入れるようになる」という事例が複数見つかった。

ただし HP ZBook Fury 15 G7 の Primary M.2 SSD はキーボードの下にあり、底面カバーを開けても直接見えない構造だった。

分解の難度が高いため、先に外しやすいストレージから切り分けることにした。

底面に見える空き M.2 スロットが Primary とは限らない、という点は本機の重要な注意点である。

1TB HDDを取り外したらBoot Menuに入れた

底面からアクセスできる 2.5 インチ 1TB HDD を取り外して起動した。

結果: 大きく改善。

これまで一度も入れなかった Boot Menu に入れるようになった。

決定的な変化: Boot Menuの復活からWindowsセットアップまで

HDD を外した状態で F9 を押すと、Boot Menu に次のような項目が表示された。

  • UEFI - Windows Boot Manager
  • UEFI - WDC WDS100T2B0 (Primary M.2 SSD)
  • UEFI N/W - IPv4 Network
  • UEFI N/W - IPv6 Network
  • Boot from File

UEFI - Windows Boot Manager を選択すると、次の順で進んだ。

  1. ZBook ロゴ表示
  2. 「自動修復をしています」
  3. 「PC を診断中」
  4. 回復オプション画面
  5. UEFI ファームウェア設定に入れることを確認
  6. 再起動後、スタートアップメニュー表示
  7. 再度 Boot Menu から Windows Boot Manager を選択
  8. Windows 初期セットアップ画面へ到達

最終的に「国または地域を選択してください」「このデバイスをどのように設定しますか」と進み、Windows Update の確認まで正常に進行できた。

ファームウェアもプリインストールの Windows も生きていたことになる。

原因の推定: BIOS故障ではなくストレージ検出停止だった可能性

断定はできないが、状況から考えられる原因は次のとおり。

  • 1TB HDD 自体の故障、または応答不良 (スピンアップやコマンド応答の遅延)
  • HDD 内に残っていたブート情報・EFI 領域・古い Windows Boot Manager が UEFI の処理を妨害
  • HDD のパーティション情報の破損
  • SATA 接続時のデバイス認識タイムアウト
  • UEFI Boot Order に残った異常な起動候補
  • Windows インストール作業後のストレージ構成の不整合

どれが決定打かは特定できていない。

ただ重要なのは、HDD を物理的に外しただけで BIOS/Boot Menu が復活したという事実である。

ロジックボードにもファームウェアにも致命的な損傷はなかった。

同じ症状の人が試すべき順番

同じ症状が出た場合、リスクの低い順に次を試す価値がある。

  1. 外部 USB 機器をすべて外す
  2. 電源ボタン長押しによる完全放電
  3. HP 公式手順に沿った CMOS リセット (電源ボタン約 25 秒長押し)
  4. F9 / F10 / F2 / F11 が進むかを確認
  5. 外部メディアではなく、内蔵ストレージ側を疑う
  6. まず工具だけで外せる 2.5 インチ HDD を取り外す
  7. その状態で BIOS / Boot Menu に入れるか確認
  8. だめなら Primary M.2 SSD の取り外しを検討 (本機はキーボード下)
  9. BIOS に入れたら Boot Order と各ディスクの認識状態を確認
  10. 必要に応じて Windows や Linux を再インストール

作業時の注意点

  • HP ZBook Fury 15 G7 の Primary M.2 SSD は底面側ではなくキーボード下にある
  • 底面側に見える空き M.2 スロットは Primary SSD とは限らない
  • 底面カバーの開閉だけでも、静電気対策と AC アダプタ・バッテリーの取り扱いに注意する

教訓: すぐにマザーボード故障と判断しない

このトラブルでは、最初に BIOS 破損やマザーボード故障を疑った。

実際には、内蔵 HDD を 1 台外すだけで Boot Menu に入れるようになった。

HP ZBook Fury 15 G7 で、Zロゴ停止、Entering Startup Menu 停止、Entering Boot Menu 停止、F9 / F10 / F11 / F2 が進まないという症状が出た場合でも、すぐにマザーボード故障と判断する必要はない。

BIOS/UEFI が内蔵ストレージの検出で停止している可能性があるため、まずは外部機器をすべて外し、次に内蔵 HDD や M.2 SSD の切り分けを行う価値がある。

今回のケースでは、それだけで Windows の初期セットアップまで復旧できた。

HP ZBook Fury 15 G7 起動トラブル FAQ
Zロゴで止まりBIOSにも入れない。マザーボード故障か

本件では違った。内蔵 1TB HDD を取り外しただけで BIOS/Boot Menu が復活した。ロゴが表示され、ファンが回り、キーボードバックライトが点くなら、ストレージ検出での停止をまず疑う価値がある。

Entering Boot Menu の表示から進まないのはなぜか

BIOS/UEFI が接続ストレージの列挙処理の途中で止まっている可能性がある。応答しないディスクを待ち続ける形になり、メニュー描画まで到達しないと考えられる。

HDDを外すとデータは消えるか

取り外すだけでは消えない。ただし弱ったディスクは通電のたびに状態が進行することがあるため、必要なデータは外付けアダプタ経由で先に退避しておくのが安全である。

Primary M.2 SSDはどこにあるか

HP ZBook Fury 15 G7 ではキーボードの下にあり、底面カバーを開けても見えない。底面側の空き M.2 スロットとは別の場所である。

CMOSリセットの方法は

電源を切り、AC アダプタを接続したまま電源ボタンを約 25 秒長押しし、その後再起動する。本件ではこれだけでは復旧しなかったが、切り分けの初手として実施する価値はある。

復旧後にやっておくべきことは

BIOS に入れるようになったら、Boot Order の整理、BIOS のアップデート、取り外した HDD の健康状態の確認 (SMART 情報) を行う。問題のあるディスクを内蔵に戻す場合は、フォーマットし直してから戻す方が再発リスクを下げられる。

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