空音開発Kuon R&D
録音技術 · 2026.08.01

プラグインパワー対応レコーダー一覧。TASCAMとZOOMの2010年以降の全機種

3.5mmマイク入力の有無で決まります。TASCAMとZOOMが2010年以降に発売したプラグインパワー対応レコーダーを型番で一覧化。誤解されやすい非対応機と、いま買える直近5年の12機種も掲載しました。

目次

プラグインパワー対応のマイクを買ったのに、手持ちのレコーダーに挿すところがない?

あるいは、ノイズだらけの極端に小さい音しか録れない。

これは故障ではなく、そのレコーダーがマイクに電源を供給していないだけです。

プラグインパワーは、レコーダー側の 3.5mm ステレオミニ入力端子から、マイクに数ボルトの電源を送る方式です。

対応しているかどうかは、メーカーやシリーズではなく、機種ごとに決まります。

同じ TASCAM の同じ DR シリーズでも、対応機と非対応機が混在しています。

この記事では、TASCAM と ZOOM が 2010 年以降に発売したレコーダーを型番単位で整理し、プラグインパワーに対応しているものだけを一覧にしました。

あわせて、いま新品で買える直近5年の機種、そして「対応していると誤解されやすい非対応機」もまとめています。

非常に重要なこととして、プラグインパワーとファンタム電源は別物です。

外部マイクに電源を送る方式には二種類あり、互換性はありません。

Kuonのマイクはプラグインパワー対応マイクと、ミニXLR対応マイク(こちらは48VXLR変換アダプターを使えば、通常のXLRマイクとして使えます)があり、初心者の方はまずはプラグインパワー版で試してみることをおすすめしています。

:::kuon compare title: プラグインパワーとファンタム電源 columns: 項目 | プラグインパワー | ファンタム電源 row: 端子 | 3.5mm ステレオミニ | XLR / TRS標準 row: 電圧 | 約2〜5V(機種依存) | 48V / 24V row: 対象マイク | 小型エレクトレットコンデンサー | 業務用コンデンサー row: 主な搭載機 | ハンディレコーダー・カメラ・スマホ | ミキサー・オーディオIF・上位レコーダー row: 相互接続 | 変換しても動作しない | 変換しても動作しない note: XLR端子しか持たないレコーダーは、変換プラグを使ってもプラグインパワーマイクを正常に動作させられません。
端子の形状ではなく、供給方式そのものが異なります。
:::

つまり、判別の基準はひとつだけです。

本体に 3.5mm のマイク/外部入力端子があり、そこにプラグインパワー供給機能があるかどうか。

XLR コンボジャックが何本あっても、この端子がなければ使えません。

TASCAM:プラグインパワー対応機種(2010年以降)

以下はすべて、3.5mm ステレオミニのマイク/外部入力を備え、プラグインパワー供給に対応している機種です。

確度の◎はメーカー公式資料で確認、○は販売店・製品資料で確認、△は実機での確認を推奨します。

TASCAM プラグインパワー対応レコーダー
型番発売年32bitフロート確度
DR-052010
DR-2d2010
DR-07MKII2011
DR-100MKII2011
DR-05 VER22013
DR-60D2013
DR-60DMKII2014
DR-100MKIII2017
DR-05X2019
DR-07X2019
Portacapture X82022対応
Portacapture X62023対応
FR-AV22024対応
DR-05XP2025対応
DR-07XP2025対応

確度は ◎メーカー公式資料で確認/○販売店・製品資料で確認/△実機確認を推奨。Portacapture X8 / X6 の 3.5mm TRS入力は、付属マイクおよびプラグインパワー対応マイクを接続できます。DR-70D・DR-701D の 3.5mm端子はカメラ連携用途が主で、プラグインパワー供給の可否は実機確認を推奨します。2019年以前の機種の多くは生産完了しており、新品での入手は困難です。

今amazonnで新品購入できる機種

TASCAM DR-05XP

無指向性A-Bステレオマイク搭載。32ビットフロート録音対応で、3.5mmのMIC/EXT端子がプラグインパワーに対応します。演奏収録の入口として最も無理のない一台です。

価格と在庫は各店でご確認ください
TASCAM DR-07XP

DR-05XPと本体は共通で、マイクがA-B/X-Y可動式の単一指向性。外部ステレオマイク入力はプラグインパワー対応と公式に明記されています。

価格と在庫は各店でご確認ください
TASCAM Portacapture X6

32ビットフロート対応の6トラック機。タッチパネル操作で、3.5mm TRS入力にプラグインパワー対応マイクを接続できます。XLRと3.5mmを併用したい人向け。

価格と在庫は各店でご確認ください
TASCAM Portacapture X8

8トラック・最大192kHz対応の上位機。マルチトラック収録と3.5mmプラグインパワー入力を両立します。複数マイクを常用する制作向け。

価格と在庫は各店でご確認ください
TASCAM FR-AV2

タイムコードジェネレーター内蔵の映像制作向け2ch機。複数カメラ収録の同期を機材側で解決したい場合の選択肢です。

価格と在庫は各店でご確認ください
TASCAM DR-05X

32ビットフロートには非対応ですが、3.5mmプラグインパワー入力を備えた定番機。予算を抑えつつ外部マイクを使いたい場合の選択肢です。

価格と在庫は各店でご確認ください

ZOOM:プラグインパワー対応機種(2010年以降)

ZOOM は供給電圧を 2.5V と公表している機種が多く、マイク側の対応電圧範囲を確認しておくと確実です。

ZOOM H1essential

32ビットフロート対応機で最も小型・低価格。MIC/LINE入力がプラグインパワーに対応します。外部マイク運用の入口として最も導入しやすい一台です。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM H4essential

XLR/TRS2系統に加え、3.5mmのMIC/LINE入力を装備。将来XLRマイクへ拡張する可能性があるなら、この世代から選んでおくと無駄がありません。

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ZOOM H6essential

6トラック仕様の上位機。マイクカプセル交換に対応し、本体側のMIC/LINE入力でプラグインパワーを供給できます。複数マイクを常用する制作向け。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM H5studio

19.4mm大口径XYマイクを搭載した2025年の現行機。ステレオミニのマイク/ライン入力がプラグインパワーに対応することが公式マニュアルに明記されています。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM H1 XLR

XLR2系統を備えながら手のひらサイズ。3.5mm入力も併載しており、プラグインパワーマイクとXLRマイクを状況で使い分けられます。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM M4 MicTrak

32ビットフロートとタイムコードジェネレーターを搭載。2系統のXLR入力はプラグインパワー対応のステレオ入力としても使えます。M2・M3は非対応なので型番に注意してください。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM H1n

32ビットフロートには非対応ですが、プラグインパワー対応のMIC/LINE入力を備えた低価格機。まず外部マイクの効果を試したい場合の選択肢です。

価格と在庫は各店でご確認ください

映像も同時に撮れる機種

ただし、映像はおまけ程度であり、昨今だとスマホのほうが圧倒的に高性能だったりしますのであまりおすすめはしません。

ZOOM Q8n-4K

4K映像とプラグインパワー対応のマイク/ライン入力を1台に備えたビデオレコーダー。カメラと録音機を分けずに済むため、編集が禁止されたコンクール提出動画でも規定内で音質を上げられます。

価格と在庫は各店でご確認ください
ZOOM Q2n-4K

Q8n-4Kより小型・低価格の4Kビデオレコーダー。ステレオミニのプラグインパワー入力を備え、一発撮りの提出用動画に向きます。

価格と在庫は各店でご確認ください

対応していると誤解されやすい非対応機種

ここが一番の落とし穴です。
上位機・多入力機ほど XLR に寄っていくため、価格が高い機種を選んだのに 3.5mm マイクが使えない、という事態が起きます。

:::kuon table title: プラグインパワー非対応(3.5mmマイク入力なし) columns: 型番 | メーカー | 外部入力 | 備考 align: left | left | left | left row: DR-40 / DR-40X | TASCAM | XLR/TRSコンボ | 3.5mmマイク入力なし row: DR-40XP | TASCAM | XLR/TRSコンボ | 32bitフロート機だが3.5mm入力なし row: F3 | ZOOM | XLR/TRSコンボ | ファンタムのみ row: F6 | ZOOM | XLR/TRSコンボ | ファンタムのみ row: F8n / F8n Pro | ZOOM | XLR/TRSコンボ | ファンタムのみ row: M2 MicTrak | ZOOM | なし | 3.5mmはLINE OUT専用 row: M3 MicTrak | ZOOM | なし | カメラ出力専用 note: DR-10L / DR-10L Pro はロック機構付きの専用ラベリアマイク端子のため、汎用のプラグインパワーマイクは接続できません。
:::

いま新品で買うなら:直近5年の対応機

2021年以降に発売され、現行流通している対応機は次の11機種です。
これから買うなら、32bitフロート録音に対応したこの世代から選ぶのが合理的です。

:::kuon table title: 直近5年のプラグインパワー対応レコーダー columns: 型番 | メーカー | 発売年 | 32bitフロート align: left | left | right | left row: Q8n-4K | ZOOM | 2021 | row: M4 MicTrak | ZOOM | 2022 | 対応 row: Portacapture X8 | TASCAM | 2022 | 対応 row: Portacapture X6 | TASCAM | 2023 | 対応 row: H1essential | ZOOM | 2024 | 対応 row: H4essential | ZOOM | 2024 | 対応 row: H6essential | ZOOM | 2024 | 対応 row: H1 XLR | ZOOM | 2024 | 対応 row: FR-AV2 | TASCAM | 2024 | 対応 row: DR-05XP | TASCAM | 2025 | 対応 row: DR-07XP | TASCAM | 2025 | 対応 row: H5studio | ZOOM | 2025 | 対応 note: 価格と入手性は時期により変動します。
購入前に最新の販売情報をご確認ください。
:::

:::kuon stat title: 数字で見る item: 38 | 機種 | 本記事の掲載機種数(対応・非対応の合計) item: 12 | 機種 | 直近5年に発売された対応機 item: 3.5 | mm | 対応に必要な入力端子の径 item: 2.5 | V | ZOOM機の代表的な供給電圧 :::

選び方は三点だけで決まります

第一に、3.5mm マイク入力の有無。

これがなければ、どれだけ高価でも候補から外れます。

第二に、32bitフロート録音の有無。
ピアノやドラムのように最大音量が読めない楽器を録るなら、入力レベル設定のミスが致命傷にならない32bitフロート機が圧倒的に安全です。

第三に、内蔵マイクとの排他仕様。

多くの機種は外部マイクを挿すと内蔵マイクが無効になります(DR-60DMKII など一部は同時使用可)。

内蔵と外部を混ぜたい場合は、この点を必ず確認してください。

レコーダーに挿すマイクをどう選ぶか
プラグインパワー対応機を用意しても、マイクが平凡なら結果は平凡です。
特に演奏収録では、指向性マイク1本よりも、無指向性ペアの AB方式のほうが楽器と部屋の響きを自然に捉えます。

KUON P-86S は、3.5mm ステレオミニ1本で AB方式ステレオ収録ができる無指向性マイクです。

この記事の一覧にある対応レコーダーに挿すだけで、内蔵マイクとは別次元の空間表現が得られます。

:::kuon mic-cta product: p-86s cta: 製品ページを見る :::

コンクール提出動画では、これが唯一の合法的な音質改善策です
コンクールの動画審査は、編集・別録り音声の差し替え・音声加工を原則として禁止しています。

しかし、撮影機材に外部マイクを接続して同時録音することは、多くの要項で禁止されていません。

編集で音を良くすることはできませんが、撮る瞬間に良い音で録ることは規定内で可能です。

したがって、提出用の構成はこうなります。

カメラで撮る場合はカメラの 3.5mm プラグインパワー入力へ、あるいは映像も録れる ZOOM Q8n-4K / Q2n-4K のような機種を使えば、一台で映像と高音質の同時収録が完結します。
いずれの場合も、要項の記載を優先して確認してください。

公開用の動画であれば制約はありません。
レコーダーで別録りした音声を映像に同期させ、ラウドネスを整えることができます。
この工程は KUON VIDEO SYNC で自動化できます。

:::kuon signup title: 別録り音声の同期は、無料で試せます body: KUON VIDEO SYNC は、レコーダーで録った音声と映像を自動で同期し、-14 LUFS に整えて書き出します。
映像は再圧縮しません。
無料登録で 2GB / 30分までご利用いただけます。
cta: 無料で登録する :::

:::kuon faq title: よくある質問 q: 変換プラグを使えば、XLR端子のレコーダーでもプラグインパワーマイクは使えますか a: 使えません。
プラグインパワーとファンタム電源は電圧も供給方式も異なるため、端子形状を変換しても正常に動作しません。
3.5mmのマイク入力を持つ機種を選んでください。
q: プラグインパワーをオンにし忘れるとどうなりますか a: 音がまったく出ないか、極端に小さくノイズの多い音になります。
多くの機種は本体メニューでプラグインパワーのオン・オフを設定するため、録音前に必ず確認してください。
q: 外部マイクを挿すと内蔵マイクは使えなくなりますか a: 多くの機種では外部入力が優先され、内蔵マイクは無効になります。
TASCAM DR-60DMKII など一部の機種は同時使用に対応しています。
q: 32bitフロート対応機を選ぶべきですか a: 音量差の大きい楽器を録るなら強く推奨します。
入力レベルの設定ミスによる音割れや録音失敗を、後から救済できるためです。
これから購入するなら、直近5年の対応機から選ぶのが合理的です。
q: この一覧に載っていない機種はどう調べればいいですか a: メーカー公式の取扱説明書で「入力」の仕様欄を開き、3.5mmのMIC/EXT INまたはMIC/LINE IN端子があり、そこに「プラグインパワー対応」と明記されているかを確認してください。
販売ページの要約だけでは判断を誤ることがあります。
:::

まとめ

プラグインパワー対応かどうかは、メーカーでもシリーズでも価格でもなく、3.5mm マイク入力の有無で決まります。

高価な多入力機ほど XLR 専用になりやすく、DR-40XP や ZOOM F シリーズのように、性能は高くてもプラグインパワーマイクが使えない機種があります。

これから購入するなら、直近5年の12機種から選ぶこと。

すでに手元に機材があるなら、上の一覧で型番を確認すること。

そのうえで、マイク側に無指向性ペアを選べば、内蔵マイクでは届かない録音に到達できます。

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