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バイオリン録音は「近づけすぎない」ことから
バイオリン録音で最も多い失敗は、マイクを近づけすぎることです。
音はf字孔だけでなくボディ全体から360度に放射され、高音は上方へ、低音は全方位へ広がります。
奏者が耳元で聴く音と、少し離れた客席で聴く音は別物。
録音で目指すのは「少し離れた場所で聴こえる、バランスの取れた音」です。
基本のマイク位置(黄金のポジション)
奏者のおでこの延長線上、床から高さ約1.5〜2mにスタンドを立て、f字孔あたりを見下ろすように向けます。
楽器からの距離は1〜1.5m。
これ以上近いと擦過音(ギーギー)が強くなり、離れすぎると音が遠くなります。
- 鋭いアタックが欲しい: マイクを奏者の右手(弓)側へ
- ふくよかな胴鳴りが欲しい: 正面〜左手(指板)側へ
ゲインと録音後の処理
バイオリンはフォルテで急に大きくなります。
最大音で -6〜-10dB を目安にし、赤ランプ(クリップ)が点いたら録り直し。
デジタルは小さめでも後で持ち上げられるので、安全マージンを大きめに取ります。
録り音が良ければ加工は最小限で、基本はノーマライズのみが理想。
EQは中〜高域を少しだけ、リバーブは足すのではなく元の響きを補強する程度にとどめます。
マイク選び
弦楽器の頂点はショップス MK5(無指向/単一指向の切替式)で、導入できるならこれ一択と言えるほどです。
そこまで出せない場合は、空音開発の P-86S / X-86S を検討してみてください。
筆者がショップスや DPA を現場で使ってきた経験をもとに、その音を目標に自作した無指向性マイクです。
大きな投資の前に試す価値は十分にある、と作った本人として考えています。
プラグインパワー版はマイクバーの両端にテープで留めるだけでステレオペアが組めます。
ライブ用クリップ(DPA 4099 など)は音が近すぎるので、メインではなく補助向きです。



