空音開発Kuon R&D
録音技術 · 2026.01.12

バイオリン録音の方法|マイク位置と距離の教科書【保存版】

バイオリン録音、録音初心者の方は近づけすぎないことからはじめてください。 360度に放射する楽器の基本、黄金のマイク位置(高さ1.5〜2m・距離1〜1.5m)、ゲイン設定、ショップス MK5 や空音開発 P-86S まで音響エンジニアが解説します。

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目次

バイオリン録音は「近づけすぎない」ことから

バイオリン録音で最も多い失敗は、マイクを近づけすぎることです。

音はf字孔だけでなくボディ全体から360度に放射され、高音は上方へ、低音は全方位へ広がります。

奏者が耳元で聴く音と、少し離れた客席で聴く音は別物。

録音で目指すのは「少し離れた場所で聴こえる、バランスの取れた音」です。

基本のマイク位置(黄金のポジション)

奏者のおでこの延長線上、床から高さ約1.5〜2mにスタンドを立て、f字孔あたりを見下ろすように向けます。
楽器からの距離は1〜1.5m。
これ以上近いと擦過音(ギーギー)が強くなり、離れすぎると音が遠くなります。

  • 鋭いアタックが欲しい: マイクを奏者の右手(弓)側へ
  • ふくよかな胴鳴りが欲しい: 正面〜左手(指板)側へ

ゲインと録音後の処理

バイオリンはフォルテで急に大きくなります。
最大音で -6〜-10dB を目安にし、赤ランプ(クリップ)が点いたら録り直し。
デジタルは小さめでも後で持ち上げられるので、安全マージンを大きめに取ります。
録り音が良ければ加工は最小限で、基本はノーマライズのみが理想。
EQは中〜高域を少しだけ、リバーブは足すのではなく元の響きを補強する程度にとどめます。

マイク選び

弦楽器の頂点はショップス MK5(無指向/単一指向の切替式)で、導入できるならこれ一択と言えるほどです。
そこまで出せない場合は、空音開発の P-86S / X-86S を検討してみてください。
筆者がショップスや DPA を現場で使ってきた経験をもとに、その音を目標に自作した無指向性マイクです。
大きな投資の前に試す価値は十分にある、と作った本人として考えています。
プラグインパワー版はマイクバーの両端にテープで留めるだけでステレオペアが組めます。
ライブ用クリップ(DPA 4099 など)は音が近すぎるので、メインではなく補助向きです。

DPA 4099 バイオリンセット
価格と在庫は各店でご確認ください
よくある質問
音がギシギシして痛いです

近すぎるか、角度が弓側に寄りすぎています。距離を1m以上取り、高さ1.5〜2mから見下ろす基本位置に戻し、正面〜指板側に少し振ってください。

マイクは高いものが必要ですか

相性の良いマイクなら数万円でも良い音が録れます。弦楽器の頂点はショップスですが、まず位置と部屋を追い込むほうが効果は大きいです。

ステレオとモノラルどちらで録りますか

必ずステレオ(最低2本)です。モノラルでは弦楽器の空間や倍音を取りこぼします。

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