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リードシートに「Cm7b5」と書いてある。
この記号をどう解けば、どの音を弾けばいいのか。
コードシンボル(コードネーム)には読み方の規則が決まっていて、左から順に要素を拾っていけば、すべての記号は解けます。
この記事では、その体系的な読み方を手順として整理します。
昔の人は「コードを覚える」という言い方をしますが、この言葉を真に受けないで、仕組みとルールを覚えることですべて機能します。
ちょうど九九は半分覚えれば十分・・・ちょっと違うか?
という感じ。
コードシンボルとは何か
コードシンボルとは、和音の構成音を短い文字列で表した記号です。
楽譜に音符を並べる代わりに、数文字で「この和音を鳴らしてください」と伝えます。
ジャズやポピュラー音楽のリードシートで標準的に使われます。
コードネームだけで音楽が成立するのは、いかに西洋音楽が仕組み化されているかを表していると思います。
コードシンボルは、左から順に次の要素で成り立っています。
すべてのコードシンボルがこの4要素を持つわけではありません。
三和音(トライアド)は七度の性質を持たず、テンションが付くこともあります。
しかし、左から順に読むという原則は変わりません。
どう読むのか。
左から右への4ステップ
ステップ1:ルートを読む。
先頭のアルファベットがルートです。
Cはド、Dはレ、Eはミ、Fはファ、Gはソ、Aはラ、Bはシ。
これが和音の土台です。
bや#を伴う場合はそれもルートに含めます(Bbは変ロ、F#は嬰ヘ)。
音名が土台のコードネームがすべてで音名が存在しない土台は存在しません。
ステップ2:三度の性質を読む。
ルートのすぐ右隣を見ます。
何も書かれていなければ長三度です。
Cとだけ書いてあれば、それは長三和音のこと。
mまたはminが書かれていれば短三度、augが書かれていれば増三度、dimが書かれていれば減三度です。
ここで和音の骨格、メジャーかマイナーかが決まります。
ステップ3:七度の性質を読む。
数字の7が付いているかを見ます。
7だけ書かれていれば短七度です。
M7、maj7、△7と書かれていれば長七度。
dim7と書かれていれば減七度。
数字が無ければ七の音を含まない三和音です。
6が書かれていれば、七度の代わりに第六音を付加します。
ステップ4:テンションと変化記号を読む。
7のあとにb9、#11、13といった数字が出てきたら、それがテンションです。
bや#を伴う数字は、その音を半音下げる、または半音上げることを表します。
b9は第九音を半音下げ、#11は第十一音を半音上げます。
変化記号がルート以外の構成音に付くこともあります。
Cm7b5のb5は、第五音を半音下げる指示です。
b5や#5は七度のあとに置かれ、テンションの変化(b9、#11、b13など)はさらにそのあとに続きます。
ここもルールを見い出せば簡単です。
例えばルートの2度上のメジャーセブンスを積めば全部テンションはいる・・・的な裏技は西洋音楽にはたくさんあります。
要は覚え方と仕組み化次第というわけなんです。
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なぜこの順序なのか
コードシンボルが左からルート、三度、七度、テンションの順に並ぶのは、和音の積み重ね方と対応しているからです。
和音は低い方から順に音を積み重ねて作ります。
根音があり、その上に三度、五度、七度、九度、十一度、十三度と積み上がります。
コードシンボルは、この積み重ねのうち、根音と、そこから三度ずつ積んだ音の性質だけを、左から順に書いているのです。
Cとだけ書けば、根音と長三度と完全五度が積まれた長三和音。
Cmは根音と短三度と完全五度。
C7は長三和音に短七度を足したもの。
テンションはこの積み重ねをさらに上へ延ばしたものです。
だから七度の性質のあとに書かれる。
順序に必然性があるのです。
実際の場面で気をつけること
同じ和音に複数の表記がある。
これが現場で一番混乱するところです。
Cm7b5とCm7(b5)は同じ和音です。
括弧があってもなくても変わりません。
またこの和音は「ハーフディミニッシュ」とも呼ばれ、CøやCmi7(b5)と書かれることもあります。
ø(スラッシュに丸)は、半減和音を表す略記です。
Csus4はどうか。
sus(サスペンデッド)は、三度の音を第四音で置き換える指示です。
三度の性質の欄に何も書かれていないのに長三度ではない。
これはsusという記号が三度の性質そのものを変更する特殊なケースです。
sus4は三和音の第三音を完全四度に置き換えた和音を意味します。
C6は長三和音に長六度を加えたもので、七度は含みません。
C69と書かれれば、六度と九度の両方を加えます。
流派や地域、人によって書き方の癖が異なります。
△7(長七度)は日本のスコアでよく見かけますが、海外ではmaj7と書かれることが多い。
どちらも同じ和音です。
出会った表記に戸惑ったときは、左から順に要素を分解して考えてください。
日本人のなぐり書きだとCメとかだけのときもありますし、Cだけのときもあり、「まあ細かいところは全体から判断してよね」っていう譜面は現場でいくらでもでてきます。
そのために、付け焼き刃的な感じではなくしっかりと楽典を学んでおく必要があるわけですね。
五度圏の知識があれば、ルートの動きを読み解く助けになります。
「[五度圏 覚え方。
調号の増え方と関係調がひと目でわかる円の仕組み](https://kuon-rnd.com/journal/circle-of-fifths-key-signatures)」もあわせて参照してください。
最後に
コードシンボルを左から順に読む原則さえ押さえれば、リードシートのほとんどの記号を解くことができます。
複数の表記を知っておけば、現場で出会う様々な書き方にも対応できるでしょう。
では、あなたの手元にある「Abmaj7#11」は、どんな構成音になるでしょうか。
