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楽典と音楽 · 2026.08.11

音程 数え方|度数と性質、2層で判定する手順

音程の判定は度数と性質の二層で行います。まず音名で度数を数え、次に半音数で長短完全増減を決める手順を解説。完全系と長短系の違いが音響的な理由から理解できます。

目次

音程とは二つの音の隔たりです。

「ドとミは何度か」と問われて「長三度」と即答できますか?

度数と性質、この二層を順に判定すれば、どの音の組み合わせからも正確な音程名を導けます。

ここは音大受験の最初の難関であり、ここをクリアすると楽典の学習は一気に進みます。

何度も何度も練習問題をクリアしながら慣れていきましょう。

音程とは何か。
度数と性質の二層

音程(interval)とは、二つの音の高さの隔たりを表す概念です。

判定には二つの層があります。

一つは度数(degree)、つまり音名で数えたときの段数です。

もう一つは性質(quality)、つまり半音の数で決まる「長・短・完全・増・減」といった区別です。

まず度数。

音名(ハニホヘトイロハ、すなわち C D E F G A B C)で数えます。

たとえば C から E まで。

C を1番目と数え、D が2番目、E が3番目です。

これは3度です。

C から G なら、C(1) D(2) E(3) F(4) G(5) で5度です。

途中に黒鍵があっても数え方は変わりません。

C から Eb も、やはり C(1) D(2) E(3) で3度です。

次に性質。

半音の数で決まります。

C から E は半音4つぶん離れているので「長3度」。

C から Eb は半音3つぶんなので「短3度」です。

度数と性質の組み合わせを一覧にすると以下のようになります。

音程の一覧(半音数順、Cを基準)
音程名半音数基準音からの例
完全1度0C → C(同音)
短2度1C → Db
長2度2C → D
短3度3C → Eb
長3度4C → E
完全4度5C → F
増4度(減5度)6C → F#
完全5度7C → G
短6度8C → Ab
長6度9C → A
短7度10C → Bb
長7度11C → B
完全8度12C → C(1オクターブ上)

どう判定するのか。
二段階の手順

手順は二段階です。

最初に度数を決め、次に性質を決めます。

この順番を守ることが、のちに異名同音で迷わないための鍵になります。

一段階目、度数を数えます。

下の音を1番目として、音名(C D E F G A B)に沿って上の音まで数えます。

このとき変化記号(# や b)は完全に無視します。

たとえば F# から Bb まで。

F# の音名部分は F、Bb の音名部分は B です。

F(1) G(2) A(3) B(4) で4度。

変化記号は次の段階で考慮します。

二段階目、性質を判定します。

半音の数を数えて表と照合します。

鍵盤を思い浮かべると確実です。

隣り合う鍵盤どうしが半音ひとつ。

E-F と B-C の白鍵どうしも半音です。

F# から Bb までを数えてみます。

F#(0) G(1) G#(2) A(3) Bb(4) で半音4つ。

4度で半音4つという組み合わせは、上の表にはありません。

完全4度は半音5つ、増4度は半音6つです。

半音4つの4度は「減4度」と呼ばれます。

表にない組み合わせには「増」「減」を使います。

完全系の度数(1度、4度、5度、8度)は、半音が標準よりひとつ狭まれば「減」、広がれば「増」です。

長短系の度数(2度、3度、6度、7度)は、長から半音ひとつ狭まれば「短」、短からさらに狭まれば「減」、長から広がれば「増」となります。

たとえば C から E# は3度で半音5つ。

長3度(半音4つ)よりひとつ広いので「増3度」です。

C から Ebb(Eのダブルフラット)は3度で半音2つ。

短3度(半音3つ)よりさらにひとつ狭いので「減3度」です。

なぜ完全と長短に分かれるのか。
音響の理由

この区別には音響的な理由があります。

完全系(1度、8度、5度、4度)は、振動数比が単純な整数比になる音程です。

完全8度(オクターブ)の振動数比は 2:1、完全5度は 3:2、完全4度は 4:3 です。

これらは倍音列の早い段階に現れ、古くから完全に協和すると認識されてきました。

「完全」の名はここに由来します。

長短系の音程(2度、3度、6度、7度)は、完全系に比べるとやや複雑な振動数比を持ちます。

長3度は 5:4、短3度は 6:5 などです。

これらの音程は協和の度合いに幅があり、「長・短」の区別で質感の違いを表すようになりました。

つまり「完全」か「長短」かの区別は、単なる暗記項目ではなく、音そのものの響きの質に根ざしています。

この仕組みは五度圏の成り立ちにも直結します。

[五度圏 覚え方。

調号の増え方と関係調がひと目でわかる円の仕組み](https://kuon-rnd.com/journal/circle-of-fifths-key-signatures)もあわせて参照してください。

つまずきやすいところ。
度数・異名同音・転回

最初の落とし穴は、度数を数えるときに変化記号を気にしすぎることです。

度数は音名だけで決まり、# や b は関与しません。

C から D# も C から Db も2度で、性質が異なるだけです。

二つ目は「異名同音」です。

C から D# と C から Eb は、鍵盤上では同じ鍵盤でも音程名が異なります。

C から D# は2度(増2度)、C から Eb は3度(短3度)。

楽譜上の表記で決まります。

三つ目は「転回」です。

音程を転回する(下の音を1オクターブ上げる、または上の音を1オクターブ下げる)と、度数と性質の両方が変わります。

規則は単純です。

度数は「9から元の度数を引く」で求まります。

3度の転回は 9-3=6 で6度です。

性質は、完全は完全のまま、長は短に、短は長に、増は減に、減は増に変わります。

たとえば長3度(C→E)を転回すると短6度(E→C)、完全5度(C→G)の転回は完全4度(G→C)です。

この規則はコードネームを読むときにも役立ちます。

[コードネーム 読み方。

Cm7b5を左から順に読めば解ける手順](https://kuon-rnd.com/journal/chord-symbol-how-to-read)も参考にしてください。

問い

ここまでで、二つの音から度数と性質を順に判定する手順を手に入れました。

問いを置きます。

あなたが普段演奏している曲のなかで、無意識に「きれいだ」と感じる和音がありますか。

その構成音どうしを度数と性質に分解してみてください。

感覚の正体が見えてくるかもしれません。

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