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楽典と音楽 · 2026.09.17

吹奏楽の基礎合奏メニュー|音程・バランス・縦・音量を確かめる順番

基礎合奏はロングトーンを長くやることではありません。音程、バランス、縦、音量の4つに柱を分け、それぞれの確かめ方を決めます。うなりで合わせる手順、純正律のセント表、パート練習の進め方、週の組み立てまでまとめました。

目次

基礎合奏は、ロングトーンを長くやることではありません。
確かめる対象が 4 つあり、それぞれに確かめ方があります。

何を確かめるか確かめ方
音程和音が溶けているかうなりが消えるか
バランス土台が聞こえているか低音を抜いて違いが出るか
出だしがそろっているか音を消しても保てるか
音量pp が小さくなっているか差がついているか

この 4 つを順に見れば、同じ時間でも結果が変わります。
逆に、対象を決めずにロングトーンを続けても、何が直ったのか分かりません。

ロングトーンだけでは足りない理由

ロングトーンで鍛えられるのは、息の支えと音の始め方です。
これは土台であって、合奏の問題そのものではありません。

合奏で起きる問題は、1 人では起きません。
2 人以上が同時に鳴らしたときに初めて出ます。
だから、確かめるときも 2 人以上で鳴らす必要があります。

1. 音程は、針ではなくうなりで合わせる

2 人が同じ音を吹いて、周波数がわずかに違うと、音の大きさが周期的にゆれます。
これをうなりといいます。
ずれが大きいほど、ゆれが速くなります。

うなりが完全に消えたとき、2 人の音は同じ高さです。
耳で分かる、いちばん確かな合図です。

和音では、全員が針を真ん中にしてはいけません

チューナーの目盛りは平均律です。
平均律は 1 オクターブを 12 等分した人工の目盛りで、和音の中の音が少しずつずれています。
和音が溶けるのは、周波数が簡単な整数の比になったときで、これを純正律といいます。

和音の中の位置平均律との差指示のしかた
根音0 セント基準のまま
完全5度+2 セントほぼそのまま
長3度-14 セント低めに取る
短3度+16 セント高めに取る
長6度-16 セント低めに取る
短7度(属七の第7音)-31 セントはっきり低めに取る
短7度(短三和音の上)+18 セント少し高めに取る

長三和音のいちばん上に乗る人が針を真ん中に合わせると、その和音は必ず濁ります。
ここを直すだけで、合奏の響きが変わります。

ハーモニー練習の順番

  1. 根音だけ1/5

    低音のパートが根音を伸ばす。うなりが消えるまで

  2. 5度を足す2/5

    根音の上に5度。ここはほぼ針どおりで合う

  3. 3度を足す3/5

    針から離して、うなりが消える位置を探す

  4. 三和音で伸ばす4/5

    濁ったら3度が動く。根音と5度は動かさない

  5. 転回形でも同じことをする5/5

    3度が下に来ると、上にあるときより低めが要る

3 度の人だけが動く、という決まりを先に共有してください。
全員が同時に動くと、合った位置が分からなくなります。

音律を切り替えられるチューナーなら、主音を指定すると目盛りのほうが純正律に動きます。
使い方は吹奏楽のチューナーおすすめにまとめました。

2. バランスは、低音から積む

合奏が濁って聞こえるとき、原因は高音が大きいことではなく、低音が聞こえていないことが多くあります。
土台がないと、上の音が浮いて聞こえます。

  1. 低音だけで鳴らす1/4

    チューバ、バリトンサックス、バスクラ、コントラバス

  2. 中音を足す2/4

    ホルン、テナーサックス、ユーフォニアム、トロンボーン

  3. 高音を足す3/4

    トランペット、クラリネット、フルート

  4. 抜いて確かめる4/4

    低音を抜いたとき、響きがやせるか。やせないなら聞こえていない

抜いて確かめるのが要点です。
足していくだけでは、聞こえているかどうかは分かりません。

3. 縦は、音を消して確かめる

メトロノームが鳴っているあいだ、拍にそろえるのは難しくありません。
音を追いかけているだけでも、それらしく聞こえます。

数小節だけ鳴らして、次の数小節は黙る設定にします。
黙っているあいだも同じ速さで吹き続け、次に鳴ったときにそろっているかを見ます。
黙った瞬間にずれるなら、拍が各自の中にありません。

この設定は無料のメトロノームで作れます。

4. 音量は、差がついているかを見る

多くの団体で、pp が小さくなっていません。
ff は大きくできても、pp は「少し小さい mf」で止まります。

確かめ方は簡単です。
pp だけを 8 小節鳴らし、次に ff だけを 8 小節鳴らします。
録っておいて、あとで聴き比べてください。
差がついていなければ、pp の練習が足りていません。

録り方は吹奏楽・合唱を高音質で録音するマイク配置とおすすめ機材にまとめています。

パート練習の進め方

パート練習が雑談になるのは、目的が決まっていないからです。
決めるのは 1 つだけで十分です。

その日の目的やること終わりの確かめ方
音程ユニゾンを伸ばすうなりが消えるか
難所を半分の速さで音を消しても保てるか
音色1人ずつ吹いて聴く誰が違うか全員で言えるか
譜読み止まらずに通す止まった場所を書き出せたか

終わりの確かめ方を先に言ってから始めてください。
これがないと、時間が来たから終わる練習になります。

週の組み立て

曜日基礎合奏の柱ねらい
音程週のはじめに耳を作る
音を消して確かめる
バランス低音から積む
音程転回形まで
音量pp と ff の差
通し4つを混ぜずに通す

毎日 4 つ全部をやろうとすると、どれも浅くなります。
1 日 1 つに絞ってください。

音程の柱を数字で確かめたいときは、合奏の画面でうなりの回数をそのまま数えられます。
読めるのは 2 人から 8 人ほどの編成までです。

縦をそろえる柱で使うメトロノームの扱いはメトロノームの使い方にまとめています。
鳴らす回数を減らす手順と、黙った小節で確かめる方法を書いています。

よくある質問
基礎合奏は何分くらいやればいいですか

時間より、柱を 1 つに絞ることが先です。20 分で 1 つの柱を扱うほうが、40 分で 4 つを流すより残ります。確かめ方まで到達して初めて、その日の基礎合奏は終わりです。

全員がチューナーで合わせたのに和音が濁ります

チューナーの目盛りが平均律だからです。長3度は平均律より 14 セント低く、短3度は 16 セント高い位置で溶けます。長3度を吹いている人が針を真ん中に合わせると、その和音は必ず濁ります。3度だけは針ではなく、うなりが消える位置で合わせてください。

うなりが聞こえないと言う部員がいます

まず 2 人だけで、わざと大きくずらして鳴らしてください。毎秒 5 回くらいの速いうなりは誰にでも聞こえます。そこから少しずつ近づけると、遅くなっていくのが分かります。最初から合った状態で「うなりを聴け」と言っても、聴くものが分かりません。

低音が聞こえないと言われますが、本人たちは吹いています

吹いている量と、聞こえている量は別です。低音を抜いて鳴らし、響きがやせるかどうかを全員で聴いてください。やせなければ、その低音は合奏に届いていません。原因は音量ではなく、音の立ち上がりが遅いことが多くあります。

縦がそろいません。速さの問題ですか

多くの場合は速さではありません。メトロノームを鳴らしたままだと、音を追いかけているだけでもそろって聞こえます。数小節ごとに音を消す設定にして、黙っているあいだも保てるかを確かめてください。黙った瞬間にずれるなら、拍が各自の中にありません。

強豪校の練習メニューを真似してよいですか

メニューより、確かめ方を真似してください。同じメニューでも、何をもって合ったとするかが違えば結果は変わります。うなりが消えたか、抜いて違いが出たか、黙っても保てたか。この 3 つの確かめ方は、人数や技術に関係なく使えます。

人数が少ない小編成でも同じことができますか

できます。柱は変わりません。ただしバランスは、パートがそろっていない前提で組み直します。低音が 1 人しかいないなら、その 1 人が聞こえているかを最初に確かめてください。人数が少ないほど、1 人が抜けたときの差がはっきり出ます。

顧問が音楽の専門ではありません

4 つの柱と確かめ方だけを共有すれば動きます。専門の知識が要るのは、なぜそうなるかの説明で、練習を回すこと自体には要りません。うなりが消えたか、抜いて違いが出たか、黙っても保てたか。この 3 つは耳で判断できます。

あわせて読みたい

音程を測る道具は吹奏楽のチューナーおすすめ、拍を扱う道具は無料のメトロノームアプリにまとめています。

合奏を録って残す方法は吹奏楽・合唱を高音質で録音するマイク配置とおすすめ機材にあります。

測りながら進める

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