連載
音響研究
この連載に属する記事、全 47 本。新しい順に並びます。
- 2026.09.042026年|立体音響のマイク配置は仮想的にどこまで再現できるか立体音響の収録には、従来大規模なマイクアレイが要るとされてきました。A-formatマイクロホンによる測定だけから、任意のマイクロホンアレイの空間室内インパルス応答を仮想的に作り出す手法を、実物のアレイとの比較で検証した研究を解説します。
- 2026.09.022026年|ヘッドマウントの両耳録音は視野を優先すると良くなるかヘッドマウント録音では、少ないマイクで両耳に届く音を忠実に再現するのが難しい。前方の視野を優先して誤差を配分する重み付けで、その範囲の再現がどこまで良くなるかを検証した研究です。
- 2026.08.242023年|声の放射特性は補間法でどう変わるか人間の声の3次元放射特性を、線形補間・自然近傍補間・球面調和展開の3方式で補間し、放射特性ステアリングの聞き分け評価で比較した研究を解説します。すべての方向で、線形補間と自然近傍補間が球面調和展開を上回りました。
- 2026.08.282018年|3D音場を録る球面マイクと再生ドームはどう作るかVRや全方位映像に合う立体音響は、どう録り、どう再生するのか。64チャンネルの球面マイクと122チャンネルのスピーカーアレイを作り、フィボナッチ螺旋の配置が直交性誤差を抑えることを示した研究です。
- 2026.09.012017年|ディフューザの面積は音場の拡散性をどう変えるかディフューザを増やせば音場は拡散する、とは限りません。実物大の室で面積を段階的に変えて測った研究では、拡散性を表す SFDC が室の性質によって正反対に動きました。
- 2026.09.012015年|マイクまでの距離で音声認識の精度はどれだけ下がるかマイクから離れるほど声は部屋の残響に埋もれ、音声認識は落ちます。距離を0.5 m、1.0 m、1.5 mと変えた研究は、距離ごとに学習した専用モデルが誤りを大きく減らす一方、補正の効果は定かでないことを示しました。
- 2026.08.312015年|マイクアレイはショットガンより楽器を分離できるかリハーサルルームで複数の楽器を同時に録るとき、各楽器を分離するには円形マイクアレイとショットガンマイクのどちらが良いのか。後処理を重ねたアレイが他楽器の混入を抑えられることを示した研究を読みます。
- 2026.09.032014年|マイクの届く距離は自己雑音で決まるコンデンサーマイクが時計や空調の音まで拾うのは、感度ではなく自己雑音の低さが原因。マイクの届く距離が何で決まるのかを、ダイナミックとコンデンサーを同じ条件で測った研究を解説します。
- 2026.08.242014年|大聖堂の残響は測り方でどう変わるか大きな教会の残響は、音源の種類とマイクの置き方で、捉え方がどう変わるのか。同じ大聖堂で2001年と2013年に行われた2つの非標準的な測定を比較し、初期反射の強さの違いと、残響が移動して聞こえる現象の共通点を読み解きます。
- 2026.09.052011年|グランドピアノの明るさは録音位置でどう変わるかグランドピアノの「明るさ」はマイクを置く位置でどう変わるのか。残響のある実際の録音空間で、自動演奏と少数のマイクを使った空間サンプリングから明るさの分布を測った研究を読み解きます。
- 2026.08.282011年|デジタルマイクはなぜアナログより有利かマイクのあとのアナログ経路で、音はどれだけ損なわれるのか。デジタルマイクの規格AES42が、変換をカプセルの近くに置くことでダイナミックレンジを守る仕組みを読み解きます。
- 2026.08.232011年|即興の緊張はラウドネスで測れるか即興演奏の緊張はラウドネスで測れるのか。離れた会場をネットでつなぐ演奏を導く計算エージェントの研究から、緊張アークの推定が人の感じ方とどれだけ一致したかを読み解きます。
- 2026.08.252010年|ステレオマイクからサラウンドを直接作れるかステレオマイクの左右の信号から音の方向と拡散音を推定し、左右の混ざりを抑える処理で、MPEGサラウンドと互換のステレオ音声を直接作れることを示した研究を解説します。専用の装置なしでサラウンドを作る道筋が見えてきます。
- 2026.09.032007年|ハイレゾ音源はどこまで聴き分けられるのかハイレゾ音源の違いは本当に耳で分かるのか。Rumsey(2007)の総説に沿って、デジタルマイクから空間再生、符号化、聴感評価までをたどり、聴こえる差が聞き分けにくいことを示します。
- 2026.08.312005年|マイクの電波ノイズはケーブルと結線でどう変わるか録音に入り込む電波ノイズは、マイクとケーブルのどこから入り、ケーブルのインピーダンスや結線でどう変わるのか。標準化された測定に基づく研究を解説します。
- 2026.09.052002年|円形マイク配置は音場をどこまで正しく再現できるかホールの音場をスピーカー列で再現するには、マイクで測ったインパルス応答をスピーカーの位置へ補外する必要がある。直線・十字・円形の配置を比べた研究は、円形配置が円の内側をアーティファクトなく再現できると示した。
- 2026.08.221999年|ブラインド音源分離は残響でどれだけ劣化するか複数の音が混ざった録音から狙った音源だけを取り出すブラインド音源分離。実験室では成果を上げた手法が、残響や雑音のある現実の部屋でどう性能を落とすかを、1999年の論文から読み解きます。
- 2026.08.231972年|ステレオ収音6方式は何が違うか単一のオーケストラ演奏をXY・Stereosonic・MS・ORTF・NOS・pan-potの6方式で同時収録した比較試聴研究。残響や効果を排した素の状態では、各方式にどんな特徴が出るのかを解説します。
- 2026.08.251969年|ダミーヘッド録音は正しい音の定位を再現できるか耳の位置にマイクを収めたダミーヘッド録音は、頭の外に正しい空間的印象を生み、部屋の聴こえの違いを判別できた。この研究が示した方法と結果、適用範囲を解説します。
- 2026.09.011961年|マイク風防の効果は大きさと素材でどう決まるか風がマイクに当たる雑音は、風防でどこまで抑えられるのか。球形の風防ほど風雑音が大きく減り、その減り方が覆いの体積で説明できることを、実験研究から解説します。
- 2026.08.311959年|ぜんまい式テープレコーダーで放送品質は出せるかコンセントのない現場で録音するには、動力と電源をどうするか。1959年の論文は、蓄音機用のぜんまいモーターと乾電池回路で、放送品質の可搬型テープレコーダーを実現する設計を記録しています。
- 2026.08.21マイクは型と指向性でどう選ぶのか、その設計トレードオフの研究を読むコンデンサーかダイナミックか、無指向か単一指向か。マイクの型と指向性の選び分けを、設計に含まれるトレードオフから解説します。
- 2026.08.18音響測定の音源は球形か十二面体かで結果はどう変わるのか、その研究を読む部屋の音響を測るとき、音源の形で結果は変わるのか。球形音源と十二面体音源を同じホールで測り比べた2013年の研究を読み、音源の選択が測定に与える影響を整理します。
- 2026.08.15単一マイクの録音から部屋の残響時間と容積は推定できるのか、その研究を読む(2017年)測定用の信号を流さず、録音だけから部屋の残響時間と容積を推定する手法を読み解きます。ARのヘッドホン3Dオーディオに必要な残響フィンガープリントを、ブラインド推定する研究です。
- 2026.08.15頭部装着マイクの録音から、視野の音を強めたバイノーラル再生はできるのか、その研究を読む(2024年)スマートグラスのマイク録音から、向けた方向の音だけを強めてヘッドホンで聴く。強め方の係数を変えると空間の印象がどう崩れるかを調べた研究を読み解く。
- 2026.08.11声の方向でゲームを操作できるか、音源定位をVR入力に使う研究を読む(2018年)音の到来方向をリアルタイムで推定し、VRゲームの入力に使う研究を解説します。声の高さと方向と大きさが、仮想空間の弾の軌道を決める。非対称VRと音源定位の組み合わせが生む新しいインタラクションとは。
- 2026.08.11サラウンドのアンビエンスマイクは近距離と遠距離で何が変わるのか、その研究を読む(1999年)サラウンド収録のアンビエンスマイクは、近距離か遠距離かで空間的印象と定位の安定性にどんな差が出るのか。距離・遅延・収音方式の関係を聴感実験で分離した1999年の研究を、専門用語を丁寧に解きながら解説します。
- 2026.08.11ステレオミックスからバイノーラルを効率的に作れるのか、その研究を読むヘッドホンでのラジオ聴取が増えるなか、既存のステレオミックスから効率的にバイノーラルを生成する手法が求められている。BBC Promsで実証された半自動化ワークフローと、その成果と限界を紹介する。
- 2026.08.11FETでコンデンサーマイクロホンの増幅器を作れるのか、その研究を読むFETが市販されるようになり、コンデンサーマイクロホンの増幅器を真空管から半導体に置き換えられるかが問われました。中村・若林による回路定数と雑音の関係を等価回路で解析した研究を読み解きます。
- 2026.08.11車内の音場はどう評価すればよいのか、その研究を読む(2002年)カーオーディオの音はスピーカーだけで決まらない。車室音響をどう測り、主観評価と結びつけるか。Choiら(2002年)が5台の車で試みた空間指標による評価の研究を読む。
- 2026.08.10ホールの響きを音響ホログラフィで自在に変えられるのか、その研究を読む(1989年)講演とオーケストラでは、求められるホールの響きが違います。建築だけで両立できないこの課題に、音響ホログラフィの考え方で挑んだ1989年の研究を解説します。
- 2026.08.10ムービングコイルマイクの帯域は筐体でどこまで伸ばせるか、その研究を読む(1953年)ムービングコイル型マイクで広帯域の平坦な応答を得るには、筐体にどんな音響的工夫を施せばよいのか。1953年の論文が示した四段階の設計をたどります。
- 2026.08.1033個のデジタルマイクとFPGAで、音の来る方向はどこまで特定できるのか、その研究を読む(2015年)騒音源をリアルタイムで特定する。そのために33個のデジタルMEMSマイクとFPGAを組み合わせ、遅延和ビームフォーミングを実装した研究を読み解きます。
- 2026.08.09複数の Ambisonic マイクを並べると、定位と没入感はどう変わるか、その研究を読むクラシックのピアノ三重奏を題材に、6本のAmbisonicマイクを六角形に配置したボリュメトリック手法と、従来の5.0イマーシブ、単一Ambisonicを聴感比較した研究を解説します。
- 2026.08.09部屋の残響時間をポータブル装置でその場で測ることは可能か、その研究を読む1980年、河上らは残響時間と伝送周波数特性をリアルタイムで測定できる携帯型装置AS-1を開発した。一台で測定から表示まで完結するこの試みを、研究論文に基づいて解説する。
- 2026.08.09球状マイクアレイで仮想指向性マイクはどこまで作れるのか、その研究を読む32個のカプセルを球面に並べたマイクアレイで、最大7本の仮想指向性マイクを実時間合成した研究を解説します。6次カーディオイドの指向性と限界に迫ります。
- 2026.08.0912本のマイクを並べてデジタル処理すると指向性はどう変わるのか、その研究を読む12本のエレクトレットマイクを対数間隔で並べ、デジタルFIRフィルタで合成するビームフォーミングマイク。周波数によらず一定の指向性を実現し、10m先でも音源の指向性が知覚できた1999年の研究を解説する。
- 2026.08.06空間収録に複数のアンビソニックアレイを使うと聴感は変わるのか、その研究を読む2本の高次アンビソニックアレイで空間部屋インパルス応答を収録し、合成する手法の聴感評価。1本アレイとの比較実験では、ヘッドホン再生かつ68 cm間隔の条件下で初期空間印象だけが有意に向上した。
- 2026.08.0622.2ch向け空間インパルス応答の収録技法は三次元残響をどう実現するか、その研究を読む22.2ch没入型音響向けに空間インパルス応答を収録する手法を提案したAES研究を解説。24本のマイクを22.2chのスピーカー配置に倣って球面上に並べ、ホールの響きを畳み込みリバーブ用に収録しました。
- 2026.08.0632個の小型スピーカーで作る球形音源は部屋の音響測定に使えるのか、その研究を読む32個の小型ドライバーを搭載した直径200 mm、3 kg未満の球形音源。122 dBの音響パワーと5 kHzまでの無指向性を達成し、SPS方式による室内音響測定に新たな選択肢を提示した研究です。
- 2026.08.065チャンネル録音で直接音の定位と残響の広がりを両立させるには、その研究を読む5チャンネル録音では、直接音の定位に高いチャンネル間コヒーレンスが必要な一方、残響には低いコヒーレンスが求められます。この相反する要求にどう応えるかを、AESで発表されたMartinのマイクアレイ設計研究から読み解きます。
- 2026.08.05標準ファンタム電源でコンデンサーマイクの指向性を遠隔制御できるのか、その研究を読むスタジオ収録中にマイクの指向性を卓から変えたい。専用ケーブルを使わず、標準的なファンタム電源だけで遠隔制御する方法を、1993年のAES発表論文から解説します。
- 2026.08.03マイクの基本原理は一世紀でどう体系化されてきたのか、その研究を読むマイクにはなぜ多くの種類があるのか。一世紀にわたる開発の歴史を整理した1962年の総説論文から、五つの変換方式と指向性の原理を読み解く。
- 2026.08.03いびきを能動的に打ち消すには、アクティブノイズコントロールの研究を読むいびきは最大90 dBに達し、耳栓や枕では低域成分に対処できない。Cecchiら(2018年)はDSPと専用ヘッドボードを用いた実時間フィードフォワードANCにより、いびき音を8〜10 dB低減できることを半無響室での実験で示した。
- 2026.08.03マルチチャンネルマイクアレイは定位感と包み込みでどう違うのか、その研究を読む6種のマルチチャンネルマイクアレイを弦楽四重奏の録音で聴き比べた研究。定位精度では2次アンビソニックスが、包み込み感では2層構造のESMA-3Dが優位だった。総合的な好みで単独の勝者は現れず、目的に応じた選択の重要性が示されている。
- 2026.07.29U 87は真空管をどう置き換えたのか、その開発記録を読むNeumann U 87の開発史を社内資料からたどったSchneider(2017)の研究を読む。真空管からFETへの移行に伴う電源方式、偏極電圧、指向性切り替えの設計判断と、派生型への展開を解説する。
- 2026.07.29マイクの周波数応答だけで個体を識別できるのか、その研究を読む(2019年)音声の内容に頼らず、正弦波で測定した周波数応答だけで録音に使われたマイクを特定できるか。6本のマイクを対象に、ニューラルネットワークが100%の識別率を達成した研究を解説する。